ガイドコラム

何事も段取り八分といいますが、外出控えた日に何をしましょうか?きっちり靴紐締めましょう!

 

人それぞれ置かれた環境は様々ですから、山登りの準備といって叱らないでくださいね。

「あぁやっと良くなって、暮らしが元に戻ってきたかな」となるのは何か月後になるのか、全くわかりません。まあ、妄想登山も良いかもしれませんね。

登山の準備はできるものから、済ませておくと安心です。天気のことや武漢コロナウイルスなどどうしようもないこともありますが、自分自身でできることはたくさんあります。

それは自宅でできる登山用品のチェックとお手入れです。

朝日を浴びるジャンダルム

ゴールデンウィークの雪の春山はもちろんターゲットですが、夏の北アルプス岩稜縦走に備えて、登山靴のお手入れ+ソール交換、そして、登山中に決して緩むことがない「靴紐(シューレース)」の結び方をご紹介します。

 最初は靴底の交換(リソール)です。

丈夫とはいえ、先端部のアッパー素材を守るランドラバーはボロボロに。

ビブラム底も摩耗してエッジも丸まってしまいました。

底も摩耗で凹凸も小さくなってしまいました。

このような状態になると、泥、残雪、岩場などで「ややっ?なんか滑るなぁ、バランス悪くなったな。」と先ず感じると思います。

年齢による衰えもあるかもしれませんが。もし、そうであったとしても技術の・体力の劣化に靴の劣化が重なったら、体がいくつあっても足らないですね。

リソールの記事 → お疲れブーツが入院です!

靴底張替作業によって元々あった「ゴアテックスなどの機能による防水機能」を失うリスクはあります。店頭においてもそのような案内をされるはずです。そういうリスクがあっても、やっと足に馴染んできた登山靴です。靴底を新しくするだけでとても気持ちよく山道を歩くことができます。

靴擦れするような登山靴は靴底交換(リソール)はしませんものね。

交換に出す前に靴紐を外して洗ってからお店に持っていきましょうね。職人さんが手作業で行う姿を想像したら当然ですね。

私は靴底の張替を一回と決めています。履きなれた登山靴は靴擦れの心配も少なく愛着があるのですが、靴底が2回分摩耗するほど履いていると、アッパー素材が傷み、剛性の低下(靴全体が柔らかくなる)でふにゃふにゃ感が大きくなってしまってくるからです。

 次に交換するのが「靴紐(シューレース)」です。

良く靴紐の予備を持っていくといいますが、交換する理由の多くは切れたからではないのです。きっちり結んだはずなのにすぐ解けてきたり、強く締めると甲に強い圧迫感を感じてしまうようなら交換時です。オリジナルの靴紐と交換することで、似たような靴の取り違え事件も防ぎやすくなると思いますよ。

交換する、その理由は

⇒ 靴紐は適度な弾力性があります。下記のビデオにあるように先端から自分の足を包み込むように締め上げて結びます。数多くの骨で構成された複雑で精密な足を全く伸びないワイヤーのようなもので締め上げてしまっては、登山中の複雑な動きに追従する足本来の機能が損なわれてしまうのです。新しい靴紐できっちりと締め上げることで、足の機能と登山靴本来の性能を発揮できるのです。

写真の登山靴はスポルティバのアルプエボ、サイズは42です。交換のために買ったのは180cmの赤いシューレースでぴったりでした。冬用登山靴なら200cmでも良いかもしれません。また、女性モデルやサイズの小さい靴であれば160cmくらいかもしれません。

出発前「靴紐はちゃんと結んでいますか?」とお聞きすると、多くの方は大丈夫!とおっしゃいます。

確実に締め上げ結んでいる人は少なく感じます。「下りの前にはいつも締めます!」という方は多いですが、登りだけ、下りだけといった登山はめったにありません。低山のハイキングであっても登ったり下ったり、斜めの斜面も出てきます。登山靴をはく時間が少なく、足を包み込む圧迫感が苦手に感じている方が多いのかもしれません。

靴紐の結び方は数多く紹介されています。蝶々結びも身体が覚えているやり方があると思います。

靴紐を確実に結ぶということは怪我を防ぐだけでなく、山歩きが楽しくなる第一歩ですから山の予行練習と思って、玄関先で試してみるのも良いかもしれません。ユーチューブは5分程度です。加藤の声が入っています。

 山に役立つ 山道具のお手入れ ⇒ お手入れコラム(追加中です)

 山に役立つ 筋力を落とさない為に ⇒ こちら

この記事を書いたのは「ガイド 加藤智二」

ガイド 加藤智二

公益社団法人日本山岳ガイド協会 認定山岳ガイド
日本プロガイド協会
日本山岳レスキュー協会所属
国立登山研修所講師

1960年生まれ。高校では小学校から続けるサッカーに没頭、キャプテンを務めました。
住み込みで新聞配達をしながら専門学校に通い、一人で山を始めました。卒業後、社会人山岳会に入り沢登り、岩登り、冬山など本格的に登山を開始、84年にネパールを皮切りにパキスタン、中国へ海外登山を行いました。
冬山登山や岩登りも行いますが、植物・地質など自然全般が大好きで、写真撮影も得意としています。
広範囲な登山を目指すことをモットーとしています。
現在は国立登山研修所講師や公益社団法人日本山岳ガイド協会などの事業への協力を行っています。

≪主な海外山行≫
■パキスタン ガッシャーブルムⅡ(8035m)
■中国 チョーオユー(8201m)
■日本・中国・ネパール三国合同チョモランマ・サガルマータ(8848m)

≪関連ホームページ・ブログ≫
■好日山荘登山学校校長のご挨拶

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