ガイドコラム

登山用具のお手入れしておきましょう! VOL.01 雪山ギア

 

この冬シーズン、真っ白な雪と青白い氷に向き合うことができたラッキーな方も、泥にまみれた雪と落ち葉のミルフィーユに格闘した方も、色々過ごしたかと思います。

4月下旬からのゴールデンウィークのアルプスで雪山用品を気持ちよく使うなら、今のご時世、休日をメンテナンスにあてるのも良いかと思います。

1:アイゼン(クランポン)とピッケル(アックス)などの金属製用具

使い古した歯ブラシ(硬めの方が良いですね。)が活躍しますね。流水で洗います。洗う場所を考えないとヒンシュク買うかもしれませんね。

さび止めとは空気中の水分と酸素が鉄を酸化させる現象ですから、金属表面に油膜を塗布すればよいのです。さて、私は何を塗ろうか?サビ止め専用ならスマートですが、余った車のワックスや油脂類、マジックインキなどまずは家にあるものを活用してはいかがでしょうか。

保管中のサビを防ぐなら保管場所も重要です。物を湿らす原因は何も雨だけではありません。空気中の水蒸気が凝縮して結露するのを防ぐなら、温度変化の少ない場所を選ぶと良いですね。

 山でアイゼン装着に手間取った方へ。

留め具から余ったストラップの長さが適切でしたか?余った分を挟んだり結んだり、うまくいかずに素手になったりと自分が出遅れた!と感じたなら、ストラップの長さ調節ができていなかったからかもしれません。

末端を頑張って結んでいますが・・・時間がかかるし、手がかじかんでイライラすることも。
適切な長さにカットしておけば素早く完了!スピードは安全に直結します。

自分が使う冬山登山靴とゲイターに合わせてセッティングし、余分な分(留め具からはみ出た分)は10~15cmで切って末端は火であぶってほつれないようにしておきます。

2:アバランチビーコン、ヘッドランプなど乾電池を使用する機器

長期間使わない場合は、乾電池を取り出しておきましょう。液漏れしにくくなったとはいえ、電池の液漏れはその機器を回復不能にさせてしまうケースがあります。

雪山に行く前には新品電池を入れましょう。(写真提供は旭立太ガイド)

私がやらかしたのは「携帯ラジオ・ヘッドランプ・ビーコンと自宅の血圧計」皆さんもお気を付け下さいね。

雪山用品メンテナンス 旭ガイドの記事 ⇒ こちら

はじめて雪山にチャレンジするのに最適なのはゴールデンウィークです。お買得のアイゼンもあるかもしれませんね。

手入れの結果、爪が丸く摩耗していたら予備とトレーニング用に格下げして、3月から5月の春山には爪の長い新品が相応しいです。

 なぜか? ⇒

寒暖を繰り返しながら積雪を増していくアルプスでは5月は真冬と同等の積雪です。春山が優しい表情を見せてくれるのは、気温が高くなっていること、陽が長くなっていること、冬型気圧配置が短期間で終わることから行動し易くなっているからです。天候の悪化であっという間に冬に逆戻りです。

むしろ、春のアルプスの雪質のバラエティさは雪山経験者でも手こずることもあります。

標高やコース状況によるアイゼンの脱着頻度も多くなるので「使いにくいなぁ!」と感じているなら買い替えがオススメです。

 1:冷え込んだ早朝は水分がガチガチに氷り、丸まった爪は不利です。

 2:気温が上がるとアイゼンに「雪団子(雪で爪が隠されます)」が付着する時があります。スリップ滑落原因となるので、ピッケルで叩き落とす必要があります。現在流通するアイゼンには雪付着防止プレートがついていますが、使っているうちに表面にたくさんの傷が付いてきます。この傷は雪離れが悪くなる原因のひとつです。

 3:午後、下山する時刻になると、積雪表面近くのザラメ雪は崩れやすく、爪の短いアイゼン・軽アイゼン・チェーンアイゼンでは支持力が低下します。あえて言うなら、下層の堅めの雪まで届く爪の長いタイプが有利です。当然、歩行姿勢が悪化、不安定度が増し疲労が蓄積してしまいます。下山終盤での怪我にも結び付きやすくなります。

さあ、道具のメンテナンスをしながら、春山はどこに出かけましょうか。

 アイゼンに関するガイド記事 (島田ガイド、山下ガイド、旭ガイド、井坂ガイド、田中ガイド、吉田ガイド、加藤ガイド)

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この記事を書いたのは「ガイド 加藤智二」

ガイド 加藤智二

公益社団法人日本山岳ガイド協会 認定山岳ガイド
日本プロガイド協会
日本山岳レスキュー協会所属
国立登山研修所講師

1960年生まれ。高校では小学校から続けるサッカーに没頭、キャプテンを務めました。
住み込みで新聞配達をしながら専門学校に通い、一人で山を始めました。卒業後、社会人山岳会に入り沢登り、岩登り、冬山など本格的に登山を開始、84年にネパールを皮切りにパキスタン、中国へ海外登山を行いました。
冬山登山や岩登りも行いますが、植物・地質など自然全般が大好きで、写真撮影も得意としています。
広範囲な登山を目指すことをモットーとしています。
現在は国立登山研修所講師や公益社団法人日本山岳ガイド協会などの事業への協力を行っています。

≪主な海外山行≫
■パキスタン ガッシャーブルムⅡ(8035m)
■中国 チョーオユー(8201m)
■日本・中国・ネパール三国合同チョモランマ・サガルマータ(8848m)

≪関連ホームページ・ブログ≫
■好日山荘登山学校校長のご挨拶

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