ガイドコラム

登山用具のお手入れしておきましょう! VOL.03 登山靴

 

さぁ、物の価値は常に変化するものだと強く実感するニュースが飛び込んできます。

新聞やテレビに比べて圧倒的に早いインターネットからの情報が世界を動かしているのを感じています。

 歩くことは健康維持のひとつとして欠かすことはできないので、今回は「登山靴」のメンテナンスのお話です。

このシーズン雪が少なくて標高の低い粘土質の登山道は大変なぬかるみでした。

靴底のブロックパターンに泥が詰まります。

今日は3つの登山靴チェックポイントをお伝えします。

 1:靴底の摩耗

ブロックパターンが消えかかり、雪・泥でのグリップ力はほとんどありません。

ビムラム社の靴底(ソール)に代表される登山靴の靴底にはオフロードタイヤのようなブロックパターンになっています。そしてとても大切なのはゴム材質です。目に触れることがない内部も繰り返し曲げられることで剛性が低下します。

ゴム素材はゴム自らを擦り減らしながら摩擦力を得ています。

ブロックパターンは雪や泥、地面や岩の凸凹に喰い込むことで前進する駆動力を得ています。

 ⇒ 靴底(ソール)の劣化とは すり減って形状が崩れること。ゴム材質が化学的に硬化すること。剛性が低下すること。

寒冷期以外で活躍するタイプ

「クライミングゾーン」はクライミングシューズ(フラットソール)に履き替えるわけにはいかない岩場が連続するアルプス縦走で安心です。

冬用登山靴

冬用登山靴の剛性が高く腕の力では簡単に靴底を曲げることは困難です。エッジの立ち、彫りが深いブロックパターンは踏み込んだり、蹴り込んだりする「力」を的確に雪面に伝えることができます。台形ブロックは排雪し易やすく設計されています。

 チェックポイント1:登山経験が増えているのに「最近、より慎重に足運びしないとスリップし易くなった」

 チェックポイント2:雪山の雪上歩行で靴底に「雪団子」が付きやすくなった

今晩、チェックしてみてください。

靴底のリペア(張替)には2か月近くかかる点と修理によってゴアテックス複合素材にダメージを与えて「防水性劣化」のリスクがあります。

 靴底のリペア(張替)のコラム ⇒ こちら

私はどんなに気に入っていても3回以上のリペアはおススメしません。靴全体の劣化が激しくリペアによって「初期性能」にまで戻らないからです。

 2:アッパー素材の劣化

最近の登山靴は皮革・合成皮革・ナイロン素材とゴアテックス防水透湿素材とを積層されたものがほとんどです。

レインウェアのコラム」でも書きましたが、身体から出る湿気を外部に排出するには外界と接する素材の「撥水性」が重要です。

汚れを落として、撥水剤をかけます。

洗うなら ⇒ こちら

撥水加工するなら ⇒ こちら

「防水性はゴアテックス(防水透湿フィルムでできた生地)があるから浸みてこない」これは事実です。もう一つアッパー素材に水が浸み込むことで起きること不都合な事実があります。

 ・靴が重たくなる

 ・濡れて冷たい

 ・靴が凍る

 ・自分の足の湿気がこもりやすく靴下が濡れる

おススメ:買って間もないきれいな状態の時から小まめに「撥水剤」をかけておくと快適です。

 

もう一つのチェックポイントがあります。それはランドラバーと呼ばれる登山靴をぐるりと保護しているゴムシートです。

登山靴先端部は岩に擦れて破れやすいです。

写真のようになるまで酷使するとアッパー素材だけでなく積層内部も痛めてしまいます。

新しくなった靴底とランドラバー

 3:靴紐の劣化

最後に靴紐(シューレース)です。

切れるほど酷使するケースもあるとは思いますが、切れていなければ性能を発揮している!わけではありません。

登山靴の手入れの時に全て外してチェックしてみましょう。

靴紐などロープ類は伸縮性を備えていて、足を包み込む登山靴あったーを適度なテンションで締め付ける必要があります。登山は登ったり下ったりを繰り返します。

登りも下りも「確実な張力(テンション)」で締めるのが正解です。下山時には再度靴紐を締め直すことをおススメします。

 ⇒ なぜなら、歩行中には登山靴は強い力で屈曲されます。アッパーがワイヤーのように全く伸びないもので締め付けられると複雑な登山靴の動きに追随できないのです。

 チェックポイント1:買った時より靴紐が長く感じて、解けやすくなった気がする。

 チェックポイント2:末端が解れてきている

靴紐(シューレース)交換のメリットは機能面だけではありません。オリジナルと違うものと交換することで山小屋での取り違えをスマートに防止できますね。

 

登山用具のお手入れしておきましょう! VOL.01 雪山ギア ⇒ こちら

登山用具のお手入れしておきましょう! VOL.02 レインウェア ⇒ こちら

好日山荘登山学校 ⇒ こちら

この記事を書いたのは「ガイド 加藤智二」

ガイド 加藤智二

公益社団法人日本山岳ガイド協会 認定山岳ガイド
日本プロガイド協会
日本山岳レスキュー協会所属
国立登山研修所講師

1960年生まれ。高校では小学校から続けるサッカーに没頭、キャプテンを務めました。
住み込みで新聞配達をしながら専門学校に通い、一人で山を始めました。卒業後、社会人山岳会に入り沢登り、岩登り、冬山など本格的に登山を開始、84年にネパールを皮切りにパキスタン、中国へ海外登山を行いました。
冬山登山や岩登りも行いますが、植物・地質など自然全般が大好きで、写真撮影も得意としています。
広範囲な登山を目指すことをモットーとしています。
現在は国立登山研修所講師や公益社団法人日本山岳ガイド協会などの事業への協力を行っています。

≪主な海外山行≫
■パキスタン ガッシャーブルムⅡ(8035m)
■中国 チョーオユー(8201m)
■日本・中国・ネパール三国合同チョモランマ・サガルマータ(8848m)

≪関連ホームページ・ブログ≫
■好日山荘登山学校校長のご挨拶

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