ガイドコラム

近代登山100年と歩む好日山荘 VOL.02 「明治から大正へ 神戸草鞋會 KWS 誕生」

「近代登山100年と歩む好日山荘」という振り返りをしているわけですが、一冊の本に書かれている内容と引用を調べているうちに、様々な雑誌・書籍を彷徨い求める古書の旅路となってきました。

以下、「ペデスツリヤン 25周年記念特輯號(特集号)関西徒歩會 昭和10年(1935年)発刊」と「居留外国人による神戸スポーツ草創史 道和書院 昭和51年(1976年)発刊」から引用です。

昭和10年(1935年)発行 表紙
非売品 会員配布なのでしょう。NO.00095 とあります。

明治28年(1895年):

日清戦争終結、台湾統治始まった年です。六甲山におなじみのA・H・グルームが六甲山上に別荘をたて、明治34年(1901年)にゴルフ場を開設しました。(居留外国人による神戸スポーツ草創史 道和書院 昭和51年(1976年)発刊から)

明治41年(1908年):

外国人によって盛んに「毎日登山」が始められました頃です。

明治43年(1910年):

好日山荘が生まれる14年前です。11月19日に神戸草鞋會(会)が発足、会員募集が始まりました。この頃には六甲山上には56戸の別荘が存在するようになっていました。

そして、Kobe Walking Society から「KWS」神戸徒歩會と名称を変え、大正2年(1913年)10月に会報第一号発行する頃には会員数400名に達するほどになっていたようです。「山路修繕事業・神戸背山に関する地理・歴史・学術上の研究」を掲げています。単なるレジャー登山の普及ではない黎明期の心意気を感じるところです。

会の目的に「登山趣味を涵養し心身の練磨に育する為には健全なる山嶽文学の普及も這般の目的を達するの一手段なるは疑う可からざることである。・・・」とあります。

大正3年(1914年):

第一次世界大戦(1914年7月28日から1918年11月11日)が始まった年です。摩耶山天狗道が開設、記念の遠足会が行われたとあります。

大正7年(1918年):

六甲山縦走の前身となる2月の住吉より天王橋まで登山記録が出ています。陸地測量部二萬分地図にKWS開設山路を入れたもの「神戸背山山路図」を会員・学校公共団体等に配布したとあります。

大正9年(1920年):

すでに再度山で1908年から外国人によってはじめられていた「毎日登山」は、この年から高取山にも「署名簿」置かれることになりました。登山者は山上にある署名簿に登るたびにサインし、年度末に集計しその数が多い順に商品などを出したことが始まりのようです。現代にまで引き継がれた「毎日登山」の状況は機会があればお話を伺ってみたいものです。

ということで、来年は高取山毎日登山100周年ですね。(かもしれません)

大正13年(1924年):

3月に「登山者の新方面ロッククライミング(烏原谷名号岩對山の大ザラの大試攀)」が行なわれました。「ピクニックとキャンピング」という言葉が使われだしたのもこの頃です。そして、神戸徒歩會の声掛けなどで、藤木九三を中心にロック・クライミング・クラブ(RCC)が誕生し、第一回トレーニングが雪彦山で行われました。RCC の藤木九三は芦屋高座の滝レリーフでご存知の方も多いかと思います。その5年後の昭和4年(1929年)にはRCC下院は100名を越していたそうです。

メンバーの名前には好日山荘の西岡一雄、単独行の加藤文太郎、医師の水野祥太郎、翻訳家で極地探検研究家の加納一郎、榎谷徹蔵、詩人の富田砕花など異色のクライマーなどが集まって隆盛をきわめていました。

好日山荘が産声を上げた1924年です。

大正15年(1926年):

5月2日、第一回六甲山脈大縦走(宝塚より熱盛塚へ)が20名余りで行われました。現在とは逆の東から西ですね。大正天皇崩御は1926年末の12月25日でした。大正15年は昭和元年となります。

いよいよ、登山用品を販売する好日山荘の歩みを捜索していきたいと思います。

神戸スポーツ草創史

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この記事を書いたのは「ガイド 加藤智二」

ガイド 加藤智二

公益社団法人日本山岳ガイド協会 認定山岳ガイド
日本プロガイド協会
日本山岳レスキュー協会所属
国立登山研修所講師

1960年生まれ。高校では小学校から続けるサッカーに没頭、キャプテンを務めました。
住み込みで新聞配達をしながら専門学校に通い、一人で山を始めました。卒業後、社会人山岳会に入り沢登り、岩登り、冬山など本格的に登山を開始、84年にネパールを皮切りにパキスタン、中国へ海外登山を行いました。
冬山登山や岩登りも行いますが、植物・地質など自然全般が大好きで、写真撮影も得意としています。
広範囲な登山を目指すことをモットーとしています。
現在は国立登山研修所講師や公益社団法人日本山岳ガイド協会などの事業への協力を行っています。

≪主な海外山行≫
■パキスタン ガッシャーブルムⅡ(8035m)
■中国 チョーオユー(8201m)
■日本・中国・ネパール三国合同チョモランマ・サガルマータ(8848m)

≪関連ホームページ・ブログ≫
■好日山荘登山学校校長のご挨拶

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