雪山で安全確保するために手に持ち、雪面に突き刺し杖のように使う道具。
（ピッケルはドイツ語、アイスアックスは英語、ピオレはフランス語です。）
雪は時に氷化して硬く、強風に対して体を固定するために、金属でできた高強度の物が必要になります。
杖として使う場合は、シャフトの一番上を持って、スピッツェ（石突）を雪に突き刺します。
急斜面などではブレードを手に持ち、ピックを雪面に刺しながら登り下りすることもあります。
長さを決める
まっすぐ立ってシャフトの一番上を持った状態で、スピッツェの先がくるぶしくらいまでの長さが良いと言われています。
近年ではトレッキングポールと併用するため長いものは必要ないともいわれますが、初めての方にはあまりおすすめできません。
柔らかい雪面のさらに下にある硬い雪面に届かなかったり、腰を曲げて登ることで動きにくいだけでなく安全確保できない場合があります。
カーブしているもの・ストレートなもの 違い
ストレートなものは平らな雪面、緩い斜面に向けた時に、まっすぐ雪面に刺さります。
カーブしているものはカーブの方向を雪の斜面に向けたときに、雪の斜面にまっすぐ刺さるように角度が付けられています。
（※緩くカーブしたものはどちらもそれほど大きな違いはありません）
大きくカーブしたシャフトのものは滑落防止の際にはスピッツエが雪に深く刺さり、
滑落停止行動中に硬い氷の層や雪の下の岩にあたると、スピッツエを支点にピックが弾かれてしまう場合があります。
ピッケルリーシュは、たすき掛け胴体タイプと手首タイプどちらがいいか？
ピッケルと使用者をつなぐひもです。
もしも手からピッケルを放してしまったとしても、ピッケルをロストすることがありません。
たすき掛け胴体とピッケルを結ぶタイプ、手首などにかけるタイプがありますが、どちらがいいでしょうか。
【初めて使う方・初心者・雪山縦走の場合】
たすき掛け胴体とピッケルを結ぶタイプ
右手左手どちらでもピッケルを使うことが出来ます。また手から放した場合には両手が自由になります。
【最初からピッケルに手首にかける短いリーシュが付属されている場合】
クライミング用のナイロンやダイニーマのスリングとカラビナを用意して、
スリングを肩掛けに、スリングとリーシュをカラビナで接続すると同じようになります。
おすすめピッケル グリベル
シャフトの緩やかなSAカーブが付いたピッケルで初級雪山から縦走まで対応します。ハンドリーシュ付属。
ストレートシャフトで初めての人でも使いやすく、コストパフォーマンスにも優れたモデル。シャフト上部にカバーが付いて手が冷えにくい。ハンドリーシュ付属。
より厚く高強度になったテクニカル仕様でグリベル独自のエヴォリューションカーブが付けられたシャフトは斜面を歩く際も深く雪面に刺さります。
軽く高強度でグリベル独自のエヴォリューションカーブが付けられたシャフトは斜面を歩く際も深く雪面に刺さります。ハンドリーシュ付属。
ストレートシャフトのピッケル。杖としても使いやすいモデル。
おすすめピッケル ペツル
ストレートシャフトのピッケル。杖としても使いやすいモデル。
緩くカーブが付けられ、縦走雪山登山、アルパイン、アイスクライミング等幅広く使用できます。
スキーツアー等の登攀が主体でない雪山向けの軽量アックス。50cmのコンパクト仕様。
超定番ペツルのアイスクライミング・アルパインクライミング向けアックス。アッズモデル。
ウェイトバランスが絶妙。
クライマーの腕の負担も小さく、長時間のバーチカルアイスでも高いパフォーマンスを維持できます。
超定番ペツルのアイスクライミング・アルパインクライミング向けアックス。ハンマーモデル。
ウェイトバランスが絶妙。
クライマーの腕の負担も小さく、長時間のバーチカルアイスでも高いパフォーマンスを維持できます。
おすすめピッケル エーデルリッド
ストレートシャフトにヘッド付近にカーブが付けられている。コストパフォーマンス○
ストレートシャフトにヘッド付近にカーブが付けられている。強度Tモデルで、本格的なアルパインにも向きます。
大きくカーブが付けられたアイスクライミング・ミックスクライミング向けアックス。
緩くカーブが付けられ、縦走雪山登山、アルパイン、アイスクライミング等幅広く使用できます。
緩くカーブが付けられ、縦走雪山登山、アルパイン、アイスクライミング等幅広く使用できます。
おすすめピッケル サレワ
小ぶりで短めなスキーツアー等で短時間使用するような目的のピッケル。
カーブがそれほどきつくないため、縦走雪山登山、アルパイン、アイスクライミング等幅広く使用できます。
ピッケルと一緒に用意するもの
■ピッケルリーシュ
『胴体にたすき掛けにして、そこからピッケルと紐で使用者を結ぶタイプ』
グリベル スプリング リーシュ ベルト
グリベル ショルダーリーシュ
マウントギア ピッケルバンド ショルダー
『手首に掛けてピッケルと紐で使用者を結ぶタイプ』
グリベル ニューロングリーシュ
マウントギア ピッケルバンドリスト
ペツル リンキン
『アイスクライミング向け ダブルリーシュ』
ペツル V リンク
■ピッケルカバー
マウントギア ピッケルヘッドカバー〔ナイロン〕
ナイロン製のヘッドカバーで、ネオプレーン製に比べて軽い。
マウントギア ピッケルヘッドカバー〔ネオプレーン〕
ネオプレーン製のヘッドカバー。伸び縮みしてピックにかけやすい。
マウントギア スピッツェガード〔ネオプレーン〕
ネオプレーン製
この記事を書いたのは「好日山荘マガジン 編集部」
登山・クライミング・キャンプのプロ、好日山荘スタッフによる編集部。あなたのアウトドアライフを応援します！
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