九州鹿児島から南へ約60km。
洋上に浮かぶ絶海の楽園 屋久島。
樹齢3000年(一説には6000年)を超えるとも言われる世界最古の現生する植物「縄文杉」で有名です。
亜熱帯から亜寒帯まで、屋久島は南北に長い日本の植生がひとつに凝縮された島で、長い歴史の過程で取り残された固有植物も豊富です。
樹齢1000年を超える杉「屋久杉」や苔むした森の美しさを感じながら歩く、それが屋久島の魅力の一つです。
歩く場所・訪れる季節によって様々な表情を見える屋久島は一年を通じて楽しめますが、5月中旬から6月中旬にかけてはヤクシマシャクナゲが見頃です。
■屋久島ってどんなところ?
■屋久島のおすすめトレッキングコース
・ヤクスギランドコース
・白谷雲水峡コース
・縄文杉コース
・宮之浦岳コース
■屋久島のおすすめトレッキングコース
■参考になる登山レポート
・ヤクスギランドコース
・白谷雲水峡コース
・縄文杉コース
・宮之浦岳コース
■屋久島トレッキングのおすすめギアはコレ!
屋久島ってどんなところ?
東西約28km、南北24km、面積500平方キロメートルのほぼ円形の島。
古代の姿を残す自然の森が島を覆っており、1993年には世界遺産に登録されました。
島の海岸沿いに住宅や商業施設、交通施設が並び、船や飛行機での入島となります。
外周部を除けば、森や山岳地帯です。
屋久島において1000年を超える杉を「屋久杉」と呼び、その中で世界最古とも言われる「縄文杉」が有名ですが、他にも多数自生しています。
現在は、自然植生保護のために柵などが設けられており、縄文杉には近づくことはできません。
九州最高峰の「宮之浦岳(1936m)」を筆頭に、1000mを超える山が46座、1500mを超える山が20座あり、洋上のアルプスとも呼ばれます。
屋久島のおすすめトレッキングコース
■ヤクスギランドコース
屋久島の自然を気軽に楽しめる。
30分程の短いコースから、山のピークまで往復する長いコースまであり、子供からお年を召した方まで体力に合わせて楽しめます。
【モデルコース1 ふれあいの径コース(約30分程)】
ヤクスギランド入口より、千年杉歩道、ふれあいの径を巡るルート。
くぐりツガ、千年杉、双子杉、くぐり杉を見ることが出来ます。
木道や石張の歩道が整備されています。
ヤクスギランド入口 → くぐりツガ → 千年杉 → 双子杉 → くぐり杉 → ヤクスギランド入口(約30分程)
【モデルコース2 やくすぎの森コース(約150分程)】
千年杉歩道、荒川歩道、小花歩道より仏陀杉歩道、ふれあいの径で戻るルート。
くぐりツガ、千年杉、ひげ長老、蛇紋杉(倒木)、天柱杉、母子杉、仏陀杉、双子杉、くぐり杉などを巡り、再びヤクスギランド入口まで戻る。
ヤクスギランド入口 → ときめきの径 → 千年杉歩道(千年杉) → 荒川歩道 → 小花歩道(ひげ長老、天柱杉、母子杉など) → 蛇紋杉(倒木) → 仏陀杉歩道(仏陀杉) → ふれあいの径 → ヤクスギランド入口(約150分程)
【モデルコース3 太忠岳往復コース(約400分程)】
太忠岳はヤクスギランドの北に見える山。山頂には米粒のような形の巨石が立ち、そこからの眺めも素晴らしい。
蛇紋杉(倒木)からは本格的な登山となり、岩場やロープ補助のエリアもあります。
往復6~7時間程度のコースとなり、バスの使用は時間的に無理になりますのでタクシー等をご利用ください。
ヤクスギランド入口 → ときめきの径 → 千年杉歩道(千年杉) → 荒川歩道 → 小花歩道(ひげ長老、天柱杉、母子杉など) → 蛇紋杉(倒木) → 石塚分れ → 太忠岳 → 石塚分れ → 蛇紋杉(倒木) → →ヤクスギランド入口(約400分程)
■白谷雲水峡コース
晴れた日でも雨でも楽しめる。
フカフカの苔に覆われた「もののけの森」を越え、「太鼓岩」に到着すると、晴れていれば大パノラマが広がっています。
気持ちの良い場所を見つけたら、コーヒーを沸かしてのんびりリフレッシュ。
某有名国内アニメーション映画は、白谷雲水峡の森と白神山地の森を見て構想したと言われているそうです。
奥まで入ると鬱蒼とした森がさらに濃くなり、日差しが地表に届かなくなるほどです。
【モデルコース1 弥生杉コース(約60分程)】
白谷雲水峡入口から約20分ほどで見ることが出来る屋久島の古木「弥生杉」。
木道が整備された道を60分程で往復できます。
白谷雲水峡入口 → 弥生杉 → 白谷雲水峡入口(約60分程)
【モデルコース2 奉行杉コース(約180分程)】
苔とシダの美しい緑が広がり、いくつもの屋久杉を見ることができる鬱蒼とした原生の森を歩きます。
二代大杉、三本足杉、びびんこ杉、三本槍杉、奉行杉、二代くぐり杉などを巡り、白谷雲水峡入口に戻るコース
3時間ほどのコースです。いくつかの川を越えますので、増水時は注意が必要です。
白谷雲水峡入口 → 二代大杉 → 三本足杉 → びびんこ杉 → 三本槍杉 → 奉行杉 → 二代くぐり杉 → さつき吊り橋 → 白谷雲水峡入口(約180分程)
【モデルコース3 太鼓岩コース(約300分程)】
白谷雲水峡から南へ進み続け、避難小屋の白谷山荘で一息(水場、トイレもあります)。
そこからもののけの森(苔むす森)を登り続け、辻峠に至ります。
辻峠からは10~15分程度の短い急登が現れ、太鼓岩に登頂します。
バスの時間を最大限に活用するのであれば、太鼓岩コースから帰りに奉行杉コースをぐるりと回っても良いでしょう。
ゆっくり苔の森を見て楽しむなら、辻峠手前の苔むす森まででも良いでしょう。
なお、辻峠付近で1000mを越えますので、秋~冬などでは防寒対策が必要です。
白谷雲水峡入口 → さつき吊り橋 → 奉行杉コース分岐 → 白谷小屋→ 七本杉・苔むす森 → 辻峠 → 太鼓岩 → 辻峠 → 奉行杉コース(時計回り) → 白谷雲水峡入口(約300分程)
■縄文杉コース
屋久島のシンボル「縄文杉」を目指す人気コース。
往復9~11時間、距離約20kmのロングコースです。
早朝の出発が必要です。
【モデルコース 縄文杉コース(約650分程)】
荒川登山口より小杉谷の川沿いを進んでいきます。
荒川登山口~楠川分かれ~大株歩道入口までは緩やかに高度を上げ、
大株歩道入口から縄文杉に向かって登りが急になっていきます。
荒川登山口 → 小杉谷橋 → 楠川分かれ → 三代杉 → 仁王杉 → 大株歩道入口 → ウィルソン株 → 大王杉・夫婦杉 → 縄文杉 → 荒川登山口(約650分程)
■宮之浦岳コース
九州最高峰とシャクナゲの群生に出逢えます。淀川登山口から往復10時間を超える健脚コース。
ペース配分を考えて、時間が無い場合は黒味岳往復も良いでしょう。(約7時間)
黒味岳から見る宮之浦岳も素晴らしい。
【モデルコース 宮之浦岳往復コース(約700分程)】
レンタカーをご利用の方は標高約1300mの淀川登山口の駐車場から、
バスをご利用の方は1.6km程手前の紀元杉バス停からスタートとなります。(徒歩30分)
淀川登山口より40分ほど歩くと、木造の避難小屋「淀川小屋」に到着します。
小屋の中は2段ベッドのような構造の板張りです。トイレ、水場があります。
縦走予定の方や往復時間の運行ダイヤが合わない方は、この小屋での宿泊も考えておきましょう。
苔むした深い森を進みぬけると日本最南端の高層湿原「花之江河」に至ります。
花之江河から30分ほどで黒味岳分岐に到着。黒味岳まではそこから20分ほどで到着します。
黒味岳からの宮之浦岳の眺望も素晴らしい。
宮之浦岳までのロングコースが難しい方などは黒味岳までの往復もオススメいたします。
そこからいろいろな奇岩を眺めつつ、2時間半ほどで九州最高峰 宮之浦岳(1935m)に登頂します。
宮之浦岳からは目の前にギザギザとした永田岳の姿を見ることが出来ます。
最高峰からは屋久島の果てしなく続く緑の海に感動する事でしょう。
紀元杉 → 淀川登山口 → 淀川小屋 → 花之江河 → 黒味分岐 → 宮之浦岳 → 淀川登山口 → 紀元杉(約700分程)
【モデルコース 宮之浦岳縦走コース】
淀川登山口からはじまり、宮之浦岳を抜け、白谷雲水峡や荒川登山口へ抜ける縦走ルートも考えられます。
このコースは、屋久島の深い緑の森や山の上に出て奇岩、最古の縄文杉やウィルソン株、もののけ森など、およそヤクスギランドを除くすべての名所を巡ることが出来ます。
しかしながら各日程で距離が長く、踏破する体力を準備する、天候に注意する、交通機関の時間や手配など様々な点に注意しておく必要があります。
初日に淀川小屋で宿泊、二日目に新高塚小屋や高塚小屋で宿泊、
三日目に白谷雲水峡や荒川登山口に下山します。
各小屋の前に環境に配慮した木のステージが用意されており、テントをその上に張ることが出来ます。
各小屋は無人の避難小屋で、宿泊の設備がありません。
シュラフやマットなどは各自でご用意ください。
小屋は虫やネズミが沢山出没しますので、食料品などは放置して眠ったりしないようにしてください。
参考になる登山レポート
■ヤクスギランドコース
屋久島ひとり山旅 ヤクスギランド 4月16日
入山日:2012年04月16日 (月)
屋久島 太忠岳(1.497M)
入山日:2014年02月27日 (木)
■白谷雲水峡コース
憧れのもののけの森、白谷雲水峡へ
入山日:2016年05月10日 (火)~2016年05月12日 (木)
■縄文杉コース
屋久島・縄文杉ツアー
入山日:2012年06月02日 (土)
■宮之浦岳コース
初夏の屋久島縦走
入山日:2016年05月10日 (火)~2016年05月12日 (木)
屋久島トレッキングのおすすめギアはコレ!
屋久島はとにかく雨の多い島。
雨対策はゴアテックスなどの防水透湿素材の上下セパレートのレインウェアが必須です。
また夏の時期は森の中が蒸し暑く汗をかきますので、乾きの良いウェアで揃えましょう。
縦走やロングコースを行く場合は、避難小屋での宿泊準備も忘れないでください。
また世界遺産の森のため、トイレなどの制限がされています。
携帯トイレ使用のためのブースが設置されていますので、携帯トイレは必ず持っていきましょう。
バイレス「ゴアテックス レインスーツ」
セパレートタイプのゴアテックス製レインウェア。
ゴアテックスは雨は防ぎつつ、服の内側の汗を放出する防水透湿素材です。
屋久島に限らず、アウトドアフィールドへ出かける際には必ずレインウェアを持っていきましょう。
ミレー「ドライナミック メッシュ NS クルー」
皮膚で汗をかいても、このウェアが汗を吸い上げて重ね着したウェアに移動させることで、汗冷えや汗の不快感を防ぎます。
ドライレイヤーと呼ばれるアンダーウェアの種類で、ファイントラック社と並んで効果の高いものです。
イスカ「ウルトラライト」
雨が多く、常に湿度の高い屋久島の避難小屋泊では、化繊綿がおすすめです。
夏場の避難小屋では、このくらいの厚さのものでも構いません。
ペツル「ティカ」
軽量コンパクトで、大光量200ルーメンのヘッドランプ。
赤色光モードも搭載し、避難小屋で夜明かりが欲しいときにも安心です。
SOL「ヒートシート サバイバルブランケット(2人用)」
2人で使うことのできるサイズの非常用ブランケット。
体から発せられた熱を反射して保温したり、大雨が降った場合には小さなスクリーンの代わりにもなります。
OutdoorDesigns「ビジュアルウィンドードライザック」
突然の雨に降られて電子機器が壊れちゃった。なんてことにはご注意ください。
中身が分かる透明窓が付いたドライサックです。
6、10、15リットルのサイズをご用意しております。
この記事を書いたのは「好日山荘マガジン 編集部」
登山・クライミング・キャンプのプロ、好日山荘スタッフによる編集部。あなたのアウトドアライフを応援します!
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