みなさん、富士山の登山者の登頂率ってどのくらいだと思いますか?
みんな登れる100%?、半分くらいの50%? どのくらいなのでしょう?
答えは、おおよそ全入山者に対して70%程度と言われています。
その中で登山未経験者では50%程度とも言われます。
好日山荘マガジン「富士山講座 第1回」をお読みになった方は覚えていらっしゃると思いますが、
標高の高い富士山は、シーズンの7~8月の真夏日でも頂上は真冬の気温になっています。
10~20代の若い人であれば体力もあり、勢いで登頂できるかもしれません。
しかしながらそれ以上の年齢で、体力もない、運動不足の方々では難しいかもしれません。
「登ってみたいだけではなかなか登頂できない」のが富士山です。
第3回目ではそんな富士山に登頂できる確率を上げるためにどんな準備が必要なのか、皆様にご説明いたします。
【第3回 富士登山に必要な道具を揃えよう】
・気温の変化に対応する服装
・服装以外の道具・一生に一度はやっぱり登りたい!日本一の富士山へ! ~第3回 富士登山に必要な道具を揃えよう~まとめ
気温の変化に対応する服装
富士山は真夏から秋、真冬まで標高が上がるにつれて気温が変化していきます。
温度に合わせた服装選びが必要になります。
ぶ厚めの防寒着だけでは温度調節が出来ません。
標高による気温の変化、運動による体温上昇に応じて、重ね着(レイヤリング)の脱ぎ着で調整します。
■富士山五合目 「アンダーウェア+シャツ1枚程度」
シャトルバスやマイカーを降りた直後はひんやり感じるかもしれませんが、動き出すと暑さを感じます。
汗で濡れたウェアが風に冷やされて体温を奪われないよう、吸汗速乾性に優れたものを選びましょう。
五合目でも紫外線対策のために手袋、帽子、アームカバーを付けましょう。
■富士山八合目 「防風防水アウタージャケット(レインウェア)」
気温低下に加えて風が出て肌寒くなります。防風、防寒が必要です。
スタート時の服装に追加しましょう。
また、山頂で御来光を迎えるための夜間登山では気温が一桁まで下がることがありますので、
ダウンやフリースを用意しておきましょう。
■山頂付近 「防風アウタージャケット、フリース、ダウン」
気温一桁の真冬の防寒と強風対策が必要です。
防風アウタージャケット、フリース、ダウンなど着込んでください。
御来光拝観待ちの夜明け頃は最も気温が下がる時間帯なので、その際は持参した全ての防寒具を装着してください。
ニット帽や帽子、手袋、ネックゲイター、マフラーなどの防寒具、エマージェンシーシートなどを装着して防寒、防風を心掛けてください。
服装以外の道具
■靴 「足首まで覆い、靴底が厚めのしっかりした登山靴」
富士山は火山灰地に加えて岩場もあります。
下りでは何時間も下り続けるので、捻挫の危険があります。
また小石を踏み続けると、靴底が薄い靴ではすぐに足の裏が痛くなってしまいます。
痛み以外にも疲れを助長してしまいます。
■バックパック 「30リットルくらいのバックパック + レインカバー」
富士登山ではかならず背負うバック(バックパック)にして両手を空けるようにしましょう。
雨が降る場合もありますので、レインカバーも用意して雨対策を行いましょう。
■照明器具 「ヘッドランプ + 予備電池」
御来光登山では真っ暗な中頂上を目指します。
ハンドライト(懐中電灯)では、手が塞がってしまう、落としてしまうので必ずヘッドランプにしましょう。
■水分補給 「水筒・ボトル、ハイドレーション」
富士山では、水道や水分補給できるポイントがありません。
山小屋で有料(ペットボトル1本で300から500円程度!)のお水などを購入することになります。
重さと大きさの関係で、麓から1~1.5リットル程の水分を持参し、山小屋でペットボトルを1~2本追加購入するのが良いでしょう。
体力のある方なら、2~3リットル麓から持参してもよいです。
(※水を飲まずにいると、高山病や脱水症状になりやすいです)
疲れてくると、カバンから水筒を取り出すことも億劫になります。
そんなときにハイドレーションをオススメします。
カバンに入れたままチューブで水を飲むことが出来ます。
■雨具 「上下セパレートタイプの雨具」
雨具には、ポンチョのタイプと、上下セパレートのものがあります。
富士山は風が強く、そして雨も上からだけでなく、風に乗って横から下から飛んできます。
ポンチョタイプでは風にあおられてしまいますので、セパレートタイプを用意しましょう。
上着として着れば、中に空気がたまり防寒具としても期待できます。
■火山灰対策 「スパッツ、マスクやタオル」
富士山は沢山の人が登り降りするため、火山灰が猛烈に巻き上げられます。
スパッツをズボンの裾に巻きつけて靴の中に砂が入らないようにします。
火山灰を吸い込まないようにするために、鼻口にマスクやタオルを付けましょう。
■高山病対策 「酸素缶、アミノバイタル」
ちょっと頭痛が出る場合や少し吐き気がする際は、酸素缶で酸素を吸引しましょう。
若干ですが症状が改善する場合があります。(※高山病の根本的な対策は高度を下げる事です)
また、寝不足、疲れからくる症状については、アミノバイタルなどを摂取して、積極的にエネルギー補給をしましょう。
■その他
登り始めてから忘れ物に気づいたら大変です!
チェック表で準備忘れが無いよう、万全の体勢と体調で富士山にチャレンジしてみてください
一生に一度はやっぱり登りたい!日本一の富士山へ! ~第3回 富士登山に必要な道具を揃えよう~まとめ
いかがでしたでしょうか。
富士山は平地とは全く異なる環境で、それに対する準備について述べてまいりました。
・標高と気温、運動による体温上昇などの変化に、重ね着で調節しよう。
・防寒・防風・雨対策のウェアを用意しよう。
・富士山の特異な環境に必要な道具を用意しよう。
・高山病や疲れ対策を用意しよう。
・忘れ物には要注意!
これらに気を付けた上で、
運動不足の方は富士登山に備え、ウォーキング、早歩き、階段の昇り降りから始め、
ランニングなどで体の準備もしておきましょう。
この記事を書いたのは「好日山荘マガジン 編集部」
登山・クライミング・キャンプのプロ、好日山荘スタッフによる編集部。あなたのアウトドアライフを応援します!
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