世界文化遺産「比叡山延暦寺」に行ってきました。
今回のちょい旅の行き先は世界文化遺産の「比叡山延暦寺」。門前町の比叡山坂本、比叡山の京都側の麓の修学院も巡ってきました。
比叡山は滋賀県と京都府の境にそびえ、山頂からは東に日本最大の湖・琵琶湖、西に古都京都の市街地を望むことができます。古代から神山として崇められていましたが、伝教大師最澄が788年に延暦寺を創建しました。
現在、国宝の根本中堂、重要文化財の廻廊が大改修中になっており、普段見ることが出来ない位置から屋根の様子を見ることができる特別な期間に訪れて、自分の目で確かめておきたいと思いました。
日本最長のケーブルカーで比叡山を登る。
旅の出発はJR比叡山坂本駅。そこからは麓のケーブル坂本駅へバスで向かいました。坂本ケーブルは昭和2年開業で日本一の長さ、2,025m!!!
駅舎は、大正14年に建設され、国の登録有形文化財に指定されています。いざ出発!
勾配のある山もスムーズにどんどん登って行きます。
ケーブル坂本駅からケーブル延暦寺駅まで所要時間11分。
到着したケーブル延暦寺駅も外観がレトロで素敵。この日は運よく2階に上がることが出来ました。
興味を引いたのは、細かい意匠。95年前の大正時代のデザインが今でも大事に残されて、現代にも通用するセンスの良さです。
内観を堪能したら、外のバルコニーからの景色も必見です。
琵琶湖の形がわかるかも??
駅を出たところで頭を何かがかすめました。ヤマガラがエサ箱を開けて欲しいと伝えてきました。エサを手の上に乗せると瞬間でつまんで飛んで行きました。
ケーブル延暦寺駅から、徒歩で比叡山延暦寺へ向かいます。
比叡山延暦寺
今回の旅の目的は、参拝と御朱印をいただくこと、根本中堂の改修の様子を見ること、そして写経にも挑戦したいと考えています。入口で参拝料をお納めして、心清らかにスタートします。
はじめて参拝をすることもあり、窓口でわからないことをお伺いすると丁寧にお教えくださいました。訪れた日は冬期にあたり山上のバスの運行もないとのことで、中心にあたる東塔(とうどう)エリアと、そこから歩いて巡ることのできる西塔(さいとう)エリアに絞りました。ガイドマップもいただき、いよいよ出発です。
比叡山は霊山とされ、山内にある延暦寺の広い境内地は東堂・西塔・横川(よかわ) の3つに区分され、それぞれに本堂があります。
天台宗総本山 比叡山延暦寺 基礎知識
百人一首で有名な慈円は、比叡山について「世の中に山てふ山は多かれど、山とは比叡の御山(みやま)をぞいふ」と比叡山を日本一の山と崇め詠みました。
それは比叡山延暦寺が、世界の平和や平安を祈る寺院として、さらには国宝的人材育成の学問と修行の道場として、日本仏教各宗各派の祖師高僧を輩出し、日本仏教の母山と仰がれているからであります。
また比叡山は、京都と滋賀の県境にあり、東には「天台薬師の池」と詠われた日本一の琵琶湖を眼下に望み、西には古都京都の町並を一望できる景勝の地でもあります。このような美しい自然環境の中で、一千二百年の歴史と伝統が世界に高い評価をうけ、平成6年(1994)にはユネスコ世界文化遺産に登録されました。
出典:比叡山延暦寺ホームページhttps://www.hieizan.or.jp/about
根本中堂
延暦寺発祥の地の東塔地区にあり、延暦寺の総本堂。ご本尊は薬師如来。
延暦寺を開いた伝教大師最澄が延暦7年(788)に創建した一乗止観院(いちじょうしかんいん)が元であり、その後何回も災害に遭いましたが、復興の度に規模も大きくなりました。現在の姿は徳川家光公の命で寛永19年(1642)に竣工したものです。ご本尊の前には、千二百年間灯り続けている「不滅の法灯」も安置されています。
平成28年度から約10年かけて国宝の根本中堂並びに重要文化財の廻廊を改修中ですが、参拝することが可能です。
現在の外観はこのようにすっぽり覆われている形になっています。
順路に沿って廻廊、根本中堂を参拝。根本中堂と廻廊のあいだの中庭に建てられた屋根の修復部分を見ることが出来る修学ステージへまいります。
※修学ステージ上のみ撮影できます。
廻廊の屋根を下に見渡せて美しい造形を観察できます。
長くて大きいと感じていましたが、反対側の写真に納まりきらない根本中堂の屋根に圧倒されました。
普段では絶対近くで見ることのできない根本中堂の正面中央を覗き込むと
蟇股を確認することができました。鶴でしょうか。彩色がどのようにされるのか想像するのも楽しいです。
修学ステージも広い!根本中堂の大きさが分かります。
2026年の完成が楽しみですが、それまでの途中経過を確認しにまた参拝したいと思います。
写経体験
このご時世、心を落ち着かせたくて写経をしたいと思いました。道具も用意いただいており、誰でも気軽に体験することが出来ます。
延暦寺のなかでも、いくつかの場所で体験が可能でこちらはそのひとつ、大黒堂。
大黒堂は、三面出世大黒天がご本尊。大黒天と毘沙門と弁財天が一体となったお姿をしており、日本の大黒天信仰の発祥の地と言われています。
写経は約1時間かけて完成しました。修業の一端を体験、奉納いたしました。
東塔エリア巡り
大講堂
大講堂のそばには、ひときわ鮮やかな鐘の御堂がありました。
法華総持院東塔 阿弥陀堂
こちらの2つの間を抜けて、西塔エリアに移動します。
西塔エリア巡り
凛とした空気のなかの参道は、階段も多くありますが、ウォーキングにも気持ちよくちょうどいい距離です。
参道にはたくさんのお地蔵さんの彫られた石灯篭があります。やさしい表情に注目!
浄土院
伝教大師最澄の御廟所。正式には東塔と西塔のエリアの境目に位置しています。
お庭は整えられ、とても心が落ち着くような空気の漂う静かな場所で、とても気に入りました。
常行堂・法華堂(にない堂)
左右同じ形をした御堂が廊下によって繋がっています。
弁慶が両堂をつなぐ廊下に肩を入れて担ったとの言い伝えから、にない堂とも呼ばれています。
釈迦堂(転法輪堂)
西塔エリアの本堂にあたり、延暦寺に現存する建築中最古のもの国の重要文化財に指定されています。
はじめて比叡山延暦寺に参拝して、心が落ち着くとても贅沢な時間を過ごすことが出来ました。また季節を変えて、今回見ることできなかったところにも参拝したいと思います。
天台宗総本山 比叡山延暦寺
比叡山で出会った気になるいろいろ
標高の高い比叡山で、もしも何かあった際にすぐに初期消火が出来るように消防車がそなえられています。
阿弥陀堂にて
東塔エリアの一隅会館のなかに、坂本にもお店を構える「鶴喜そば」がありました。休憩に是非!
あっち?こっち?
参拝にかかせないお供たち
サコッシュ・コインケース・ご朱印帳・小さいクリアファイル・ハンドスプレー
お賽銭の5円玉や新しい100円玉は日頃から集めています。たくさんの御堂でお賽銭や御朱印をいただくのにこのセットはとても良かったです。
比叡山延暦寺の麓の坂本の町と、京都修学院の立ち寄り処は後編で公開します!お楽しみに!
#ちょい旅 世界文化遺産「比叡山延暦寺」~後編~
https://magazine.kojitusanso.jp/51542/
文:関本 亜紀
写真:加藤 智二、関本 亜紀
この記事を書いたのは「好日山荘マガジン 編集部」
登山・クライミング・キャンプのプロ、好日山荘スタッフによる編集部。あなたのアウトドアライフを応援します!
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