#ちょい旅 雨巻山登山と益子で陶芸初体験

今回のちょい旅、行き先は、栃木県芳賀郡益子町。山と土でつながった登山と陶芸を楽しむ欲張りな1日をお届けします。

雨巻山登山

雨巻山は、栃木県宇都宮市の東に位置する陶芸の町として知られる益子町に登山口があります。50台ほど収容の駐車場を備えた大川戸登山口には、小さなポストに益子町が作成している地図が設置され、地元の方々を中心に清掃登山が実施されるなど、皆さんに愛され、多くの方が訪れる人気の山です。

地図は、益子町のホームページでも事前に確認出来ます。早起きの憂鬱も忘れさせてくれる、朝早い出発の特権。キラキラの朝露。よい1日になりそうです。林道を歩きはじめてから20分ほどもたたないうちに道の脇にニリンソウが出迎えくれました。登山口からこんなにすぐに出会えるとは、とても得した気分になりました。

まだ咲き始めたところ、のうしろ姿。他にも小さな花やスミレも。

登山口におかれている地図のウラに雨巻山の花暦が掲載されているほど、春から夏にかけて多くの種類の花見ることが出来るとのこと。実は、雨巻山に一度登ったことがあるのですが、前回は季節が秋だったので今回とても楽しみにしていました。今日はどのくらい春の花を見ることが出来るでしょうか。

さらに林道を歩いていると分岐が出てきました。大きく注意喚起!こちらを右に入るとメインコースの登山道、杉林のなかを進みます。登りをすすんでいくと、チゴユリがそっと咲いていました。たたずまいがお上品。こちらは存在感たっぷりのマムシ草。お花に気をとられていましたが、何度も足を止めてしまうくらいやわらかい新緑が美しい季節です。ツツジが咲いてる!と見つけたのは林の中、そっと足を踏み入れると・・・落ち葉でふっかふか!

お目当てのお花には先約がいらっしゃいました。

どんどん歩きすすんできて、見通しの良い場所にベンチがありました。休憩のタイミングです。この日は少し雲が多かったですが、見通し充分!
地図にある番号と連動していてとてもわかりやすい道しるべです

ミヤマガマズミ
春の終わりのこの季節、どこからともなく飛んできたさくらの花びら。キョロキョロ、上を見ても出所が見当たらないのはいつもの謎。キレイな木肌の柄を見たら撮影せずにはいられません。

2択の道しるべ。こんな時でも優柔不断になってしまいがちな私ですが、帰り道にまたここを通るので行きは階段を選択。登り切ると、、、いよいよ頂上に到着しました!益子町の最高峰(533.3m)頂上は開けていて広い景色が見渡せます。以前訪れた時よりも、大きなベンチが増えているように思いました。少し休憩していると、いつも雨巻山に登っているという男性の方とお会いしたのでお話をお伺いしていると、ここから少し行ったところの展望台の先に、カタクリの群生地があるけど、もう時期が過ぎてしまって、場所がわからないかもしれないから、案内しますよ、と嬉しいお誘い。さっそくいっしょに歩いてみることに。木陰の広い休憩所や、小さな展望塔を通り過ぎると、カタクリの葉の群生。すでに種子が出来はじめていました。今年は開花時期が早かったとのことで、こっそり咲いている花を一つだけ見つけました。でも、たくさん咲いているところを見てみたいな・・・また来る理由ができました。ひとつだけ咲くカタクリわかりますか?エンレイソウもお花は終わっていましたニシキゴロモ

頂上まで戻る途中、小さな展望塔にのぼってみます。以前はもっと開けていたそうです・・・秋になって木々が葉を落とすともっと遠くまでみえますように。展望塔の目の前に見えた桜の花

他のお花も教えていただいたりして、ほんの少しでしたがお山の好きな方とのこんな偶然の出会いでとてもかけがえのない時間を過ごせました。のぼりに通らなかった下山のルートには、ツツジとヤマブキが咲いている情報もお教えいただいたので楽しみができて、出発です。帰りの2択はもちろん岩の道へ・・・。

偶然、カナブンさんも岩の道??教えたいただいた場所に咲いていたミツバツツジも身頃。小さな沢が流れている脇に、想像するとおりの鮮やかな色が見え、ヤマブキが咲いていました。

あと、長い葉っぱの不思議な植物も気になりました。なんでしょう??行きと同じルートを戻っていると、時間差で咲くと言われているからか、ニリンソウは時間が経って大きく咲いているように見えました。今回は、大川戸登山口より林道を歩き、メインコースに入ってから、頂上まで。くだりは尾根コースを通り、林道へ戻るルートを使用しました。隣接する足尾山、御嶽山、三登谷山を結んでの縦走も可能で、トレイルランニングの大会のコースの一部としても使われているそうです。他に予定を盛り込んだ今日の登山はコースタイム3時間くらいの雨巻山がピッタリでした。色んなお花に出会えて春を感じることが出来ました。時期を違えてまた来たい山です。

取材日:2021年4月16日 リフレッシュして健康維持。感染対策をしっかりした山登りを心がけましょう。

茶屋雨巻

登山口に戻ってきたのは、11時半ごろ。ちょうどお腹が空きました。

登山の計画を立てる時にはおいしい何をどこで食べるのか、食いしん坊は必ず考えます。そう、今回の雨巻山登山のもう一つの目的があったのです。登山口のそば、山の麓にある「茶屋雨巻」でピザを食べること。前回の登山の際にかなえることが出来なかったのでリベンジ。さっそく向かいます!益子には、陶器の窯を制作する築窯師さんが存在されているそうで、こちらは築窯師さんによりつくられた窯をオーナーさんが改良を重ねられた石窯で薪をつかって焼かれるピザが人気のお店です。

木を基調とした店内は落ち着いた雰囲気の店内。ランチ前菜とピザを注文してみました。前菜をいただきつつピザを待つ・・・お待ちかね!のピザ!マリナーラにアンチョビトッピングを注文しました。薄いながらももちもち、縁はパリッと!山頂での景色を見ながらの山ごはんも良いですが、楽しかった雨巻山の登山を思い返しながらの生地がもちもちのここでしか味わえないピザは格別です。
人気のお店なので、時間やお休みを確認して、早めの来店や事前予約が安心です。

益子でろくろ陶芸体験

次に向かったのは、以前から挑戦してみたかったろくろを使った陶芸体験が出来る「益子陶芸体験教室 よこやま」。こちらでは、レクチャーを含んだ1時間を使って制作し、そのなかから気に入ったもの選び焼き上げてもらえます。陶芸で使用する道具たち。電動のろくろは今では日本で1社しか作られてないそうです。

益子で掘られたという2種類を混ぜられた粘土は冷たく、やさしくそしてしっかり触ると自由に形が変わってくれます。水を上手くつけながら理想のかたちに近づけたい!焼成すると、2~3割小さくなるというのでイメージしながら作るので大きくなるのですが、力の入れ具合とバランスが難しい。自分の作りたいと思い描く器は、厚みが薄く、毎日使えるシンプルな形のもの。ですが、そう簡単にはいかず、苦戦。(その間、親切につききっきりで教えてもらったため、写真はございません)おもしろくて夢中になったころに、時間切れに。もっと土を触っていたい!この中から選んだ3つの焼き上がりは2,3ヶ月先。楽しみに待っています。右端の白いたらいの中にみえているのは・・・失敗作です・・・。

益子の町を散策江戸時代末期から歴史を持つ益子焼。首都圏に近く、流通にも適していたことから発展を遂げてきました。素朴な味わいの特徴があり、釉薬の色合いもなども含め、奥深さが魅力の陶器です。多くの店舗が集まる城内坂に面する1861年創業の「大誠窯」は、窯元が多くある益子の中でも最も大きな登り窯を使用されており、実際に見ることが出来ます。店内は、購入できる器はもちろん、古くに作られた大きなお皿なども展示されています。店先には、薪もたくさん用意されていました。栃木で採石されることで有名な大谷石が並んでいたりと、益子らしさを感じられる代表的な場所。益子に来られたらぜひ立ち寄って欲しい場所のひとつです。

魅力的な益子のお店巡り①

続いては、中心から少し離れた静かな通りにあるお店「pejite」へ。友人から教えてもらって知りました。約60年前に建てられたという大谷石の蔵の建物には蔦が這う存在感から雰囲気から期待が高まります。外から見た印象よりも天井が高く広々した空間が広がる店内には、益子を中心とした作家さんの陶器の作品や日本の手仕事のもの、ほかにものシンプルな洋服など、じっくり時間をかけてみてみたいものが並んでいます。商品が置かれた什器も含め、すべてにこだわりがあって並んでいる店内は見応え十分でした。

こちらでどうしても気になったのは、独特な刃のカタチと、手で作った感じが何ともかわいい島根県出雲市の高橋鍛冶屋の果物ナイフ。鋼を使用しきちんと焼き入れがしてあり丈夫、長く使いたいと思い、決心!購入したあとに調べてみると、日本民藝館の柳館長から指導を受けてつくったと知り、手仕事あるところに民芸の精神あり、と感じたのでした。日曜日に営業をするパン屋さん「Boulange 770」の焼き菓子が置かれており、一緒に購入することが出来ました。

魅力的な益子のお店巡り②

次に向かったのは、長年来てみたいと憧れていた「starnet」。

陶器をはじめ生活用品や食料品、益子の土地の品など、センス良く並ぶ店内にはカフェも併設され、心豊かな暮らしをトータルで提案する益子を代表するお店です。益子のイベント「土祭」など情報も発信されています。お店の外壁には大谷石使われていたり、こだわりが感じられてとにかくかっこ良いです。

ちょっと休憩ということで先にカフェへ。夕方に近づいて先客はいなかったこともあり、お好きなところへどうぞ、と。独特な革の椅子を選んでみました。座り心地よろし。コーヒーとガトーショコラでほっこり。店内は、こだわりの食品やオリジナルのお茶やはちみつ、焼き菓子があったりと、お土産に選びたいものもあります。

陶器の並ぶスペースに、干支の牛の小さな焼き物を発見。茨城県の陶芸家 鈴木環さんの作品だそうで、年女の私はもちろんロックオン!気に入った子を連れて帰るべく一所懸命選びました。そんな私をみて笑顔で話しかけてくださったスタッフの方に「素敵なお店で働けて良いですね」と話しかけると、お店は池のそばに位置していて、カウンターの後ろの窓から夕陽が見えたり、とても良い場所なんですと 教えてくださいました。

片思いしていたお店でしたが、はじめてきたはずなのに心地よい空間で、期待以上で益子がもっと好きになりました。もちろんまた来たいと思います。旅先での私の楽しみは、その場所でしか出会えない人に会うことと、その時でないと出会えないもの中から気にいったものを思い出とともに連れて帰ること。今回も見つけることが出来ました。

今回のお買物のまとめ

今回のお立ち寄りところまとめ

・雨巻山登山 益子町観光商工課

http://www.town.mashiko.tochigi.jp/sp/page/page000111.html

・茶屋雨巻

https://pizza-restaurant-amamaki.business.site/

・益子陶芸体験教室 よこやま

https://tougei.net/tougei

・大誠窯

https://www.hibinokurashi.com/jp/pottery/54

・pejite

http://www.pejite-mashiko.com/top/

・スターネット

https://www.starnet-bkds.com/

 

また来たい!わたしの今度栃木・益子に来る理由

  • 雨巻山でカタクリの群生を見る
  • 益子で一泊して益子焼を色々見て購入したい。
  • 大谷石ミュージアムへ行く
  • 日光東照宮へ行く

 

■今回の旅のお供

陶芸ろくろ体験の後にも活躍したのはアウトドア速乾性タオル。厚みのある物は吸水性が高く、安心した使い心地。薄手の物は大きくてもコンパクトになってくれて温泉など楽しむ場合はとっても便利です。小さいポーチがついているものがよりコンパクトになってくれておまけに早く乾いてくれる優れもの。

 

文&編集&写真●関本 亜紀

この記事を書いたのは「好日山荘マガジン 編集部」

好日山荘マガジン 編集部

登山・クライミング・キャンプのプロ、好日山荘スタッフによる編集部。あなたのアウトドアライフを応援します!