花と歴史に誘われて春山へ出かけよう

 

好日山荘のスタッフが登山した様子を写真とともにお伝えする「登山レポート」から「お花に出会う」「歴史に思いを馳せる」をテーマにおすすめの山をご紹介します。今度出かける山の参考に是非ともお役立て頂けると幸いです。きっと出かけたくなるはずです。

春の花に魅せられて

春を感じることのできる花には、足を運びたくなる魅力があります。その花を見るために登山へ出かけてみませんか。

■フクジュソウ(福寿草)

別名ガンジツソウ、ツイタチソウといわれ、新年の季語となっており、早春から咲く多年草。濃い黄色が咲く姿を見ると、明るい春のはじまりにワクワクします。

福寿草が咲く山はこちらから

藤原岳(鈴鹿山脈・花の百名山)

大ドッケ(埼玉県秩父市)

ドンデン高原(新潟県佐渡島)

鈴ヶ岳・鈴北岳(鈴鹿山脈)

入道ヶ岳(鈴鹿山脈)

■カタクリ(片栗)

ユリ科の多年草。昔は球根から片栗粉が作られていたと知られている。花を咲かせるまでに8年ほどかかると言われ、6枚の花弁から成り立ち、反り返って咲く。滑らかな表面のまだら模様の葉も特徴で花が咲いていなくても違う時期に見つけることもある。地中に通称スプリングフェメラル(春の妖精)の代表的な存在。うつむいて咲く姿が美しい。

妖精に出会える山の登山レポートはこちらから

ポンポン山(大阪府・京都府境界)

太平山と三毳山(栃木)

鳩吹山(岐阜県可児市)

吉和冠山~寂地山(広島県廿日市)

御前山(奥多摩)

 

■ミツマタ(三椏)

ジンチョウゲ科ミツマタ属の落葉性低木。枝が三つに分かれていることからついた名前。冬の間に葉を落した枝に小さな花弁が丸くまとまって咲きはじめると辺りにはとても良い香りが漂う。日本固有の和紙の原料として使われ、繊維が細くて光沢があり、柔軟性もあることから栽培したものを現在も紙幣の原料としても使用されている。

ミツマタの香りを楽しむことのできる山の登山レポートはこちらから

相州アルプス(東丹沢)

青貝山(大阪府能勢郡)

高畑山(滋賀)

焼森山・鶏足山 (栃木県芳賀郡)

■ヒカゲツツジ(日陰躑躅)

ツツジ科ツツジ属に分類される日本固有のツツジ。ツツジといえばピンク色を想像するが、淡い黄色い花を咲かせる。自生地では水辺を照らすことから別名サワテラシといわれている。シャクナゲにも似ている。

ヒカゲツツジに出会える山の登山レポートはこちらから

坪山(山梨県上野原市)

鳩吹山

三尾山(兵庫県)

高木山(美濃・加茂)

向山連山(兵庫県)

■サクラ(桜)

春の花の代表選手「サクラ」。登山中に出会うものは普段の見るよりも美しく感じかもしれません。

シロヤマザクラを中心に約200種3万本が密集しているという奈良県吉野山。一面儚い淡い色に染まる山を見に一度は訪れてみたいです。

吉野山の登山レポートはこちら

 

見たい花、行きたい山をもっと探したい方必見!

「登山レポート」を多く投稿している強者好日山荘スタッフが紹介する「花の山」今まで登山したレポートをぜひ参考にしてみてください。きっと花との出会いが見つかるはずです。見応え十分の登山レポートはこちらから

春3月~5月 東海花の山

春3月~5月 関西 花の山

登山レポートは以前に作成したものです。お出かけ前は現地の最新情報収集も忘れずに。今見ることのできる花は、獣害や自然破壊などで脅かされていることもあります。来年も見ることができることを祈って、マナーを守って楽しみましょう。

源平の時代の歴史に思いを馳せてみる

源氏と平家の「源平合戦」は長く続いた天下分け目の戦い。その時代には、歩く、馬に乗る、という移動手段だったと思えば、私たちの楽しむ登山は緩いものかも知れません。そんな時代に思いを巡らせながらの歴史を遡ってみる登山もまた楽しみ方のひとつ。

一ノ谷の戦い(1184年2月7日)■鉄拐山 須磨アルプス(兵庫県神戸市)

兵庫県神戸市にある六甲山系の西端には、一の谷戦いの舞台となったと言われる場所も含まれています。語り継がれる「鵯越の逆落とし」の鵯越とは、須磨アルプスからさらに東に存在し、そこから一ノ谷まで源氏軍は攻めおりてきたと考えられる。この地域には、義経がいたとされる史跡や平家ゆかりの場所も多く、歴史好きでなくとも、楽しめる場所が多いのも魅力。

鉄拐山から須磨アルプスの登山レポートはこちら

須磨アルプス関連の登山レポートはこちらから

須磨アルプスを楽しむちょい旅のマガジン記事はこちら

源頼朝が征夷大将軍に。 鎌倉幕府の開設(1192年)■鎌倉アルプス

神奈川県鎌倉市最高地点の大平山を含む鎌倉の街を囲む山の一帯は、鎌倉アルプスと呼ばれいくつかのコースが存在します。鶴岡八幡宮を筆頭に寺院などが多く登山と一緒に歴史を感じながら歩くことができます。街中には立ち寄りたくなるお店もあり下山後の楽しみ方も自由です。

鎌倉アルプス 2022年3月登山レポートはこちら

鎌倉アルプス関連の登山レポートはこちらから

※鎌倉アルプスは2022年3月現在、令和元年の台風15号、19号の影響により大きな被害を受け復旧作業が進んでいますが、一部通行止めの部分もありますので事前に情報を収集してからお出かけください。

南房総に源頼朝勢が滞在(1180年頃)

■千葉県南房総市 伊予ヶ岳 336.6m

南房総にある標高336.3m(北峰)の秀麗な双耳峰。千葉県内で唯一山名に「岳」が付きますが、その名に恥じず千葉県では珍しい岩峰となっています。伊予国(愛媛県)の石鎚山(いしづちさん=伊予の大岳)に、山容が似ていることが名の由来とか。房総の山好きからは「房総のマッターホルン」とも呼ばれています。鎌倉に向かう前の源頼朝勢が南房総に滞在していたと伝えられている。

伊予ヶ岳関連の登山レポートはこちらから

その他源平の合戦の時代に舞台とされた場所をなどを他にもご紹介。

倶利伽羅峠の戦い(1183年5月9日)

■砺波山の戦いとも言われ、木曽義仲軍の夜襲で平家軍崩壊させた。   倶利伽羅峠を歩く歴史国道「北陸道」(砺波山)登山レポートはこちら

三草山の戦い(1184年2月5日)

■三草山 標高423.9m (兵庫県加東市) 一ノ谷の戦いの2日前の夜襲で源義経軍の勝利となった三草山の戦いの舞台とされる。頂上からは瀬戸内海を望むことができる。

三草山 標高423.9m (兵庫県加東市)の登山レポートはこちら

屋島の戦い(1185年2月18日)■屋島(香川県屋島) 一ノ谷の合戦の後、平家の支配下だった屋島は当時は島だった。「義経の弓流し」や「扇の的」の舞台となった。

屋島(香川県)の登山レポートはこちら

 

お花と歴史番外編

一の谷の戦いといえば、平敦盛と熊谷直実が戦ったとして知られています。二人の名になぞらえた花があります。

須磨寺にある平清盛と熊谷直実の像

ともにラン科 アツモリソウ属で、大きな花をつける多年草。花のふっくらした大きな唇弁を武士が背負った弓矢を防ぐ母衣(ボロ)に見立てたことからつけられました。

アツモリソウ(敦盛草)

アツモリソウに出会える山の登山レポートはこちら

三ノ峰(岐阜県・福井県)

入笠山(山梨県・花の百名山)

 

クマイガイソウ(熊谷草)

クマガイソウに出会える山の登山レポートはこちら

御池岳(鈴鹿)

南高尾(東京都八王子市・高尾山)

 

今回のマガジンのテーマ「花」と「歴史」にも意外なところにつながりがありました。いつもの地元の山やよく歩く道にある歴史を知る、四季のある日本ならではの限られた季節にしか咲かない花を見るために歩いてみませんか。

写真●好日山荘スタッフ

編集●関本 亜紀

この記事を書いたのは「好日山荘マガジン 編集部」

好日山荘マガジン 編集部

登山・クライミング・キャンプのプロ、好日山荘スタッフによる編集部。あなたのアウトドアライフを応援します!