今年は強い寒波の影響で各地で積雪があるようですね。
そんな積雪のある道で転ばずに歩くコツを白馬在住・登山ガイドの田中ガイドに聞きました。
Q.どのような歩き方をすれば良いですか?
A.山歩きの基本、フラットフッティングを意識すれば良いでしょう!
普段、私たちは踵から着地して、つま先で蹴り出すようにして歩いています。
この歩き方は一歩ずつスムーズに歩くことができますが、雪道では着地のときや蹴り出すときにスリップする原因となります。(図1上)
そのようなスリップが起こらないように、登山では足裏全体で着地しながら歩くフラットフッティングという歩き方をします。
フラットフッティングで歩くと地面と足裏の接地面積が大きいためスリップしにくくなりますし、 万が一バランスを崩しても体勢を崩しにくく、転倒のリスクが少なくなります。(図1下)
図1 一般的な歩行と雪道での歩行(フラットフッティング)
Q.フラットフッティングをするために気をつけることは??
A.歩幅と歩行ラインを意識すると良いでしょう!
フラットフッティングをするために大切なことは普段よりも歩幅を小さくすることです。
普段の歩き方は前述のように踵から着地して、つま先で蹴りだしているため、大きな歩幅で歩くことができます。
しかし、普段のような大きな歩幅ではフラットフッティングはできないので、意識的に歩幅を小さくする必要があります。目安としては、いつもの歩幅の半分以下にすると良いでしょう。
また、歩くときの意識として自分の目の前にある2本のレール(肩幅くらい)の上に足を置いて歩くようにすると良いです。
そのように歩くことで左右のふらつきも少なくなり、歩行時のバランスが良くなるはずです。(図2)
図2 一般的な歩行と雪道での歩行(フラットフッティング)
Q.雪道を歩くときの靴はどんなものが良いでしょうか?
A.滑りにくいソール(靴底)、適度な硬さのソール、足にフィットしているものが良いです。
雪道を歩くのに適した靴の条件としては、
①滑りにくいソール(靴底)であること ②ソールに適度な硬さがあること ③足にフィットしていること
が大切です。
①滑りにくいソールとは”しっかりと凹凸があるもの” ”凹凸のブロックがそれぞれ独立しているもの” が優れています。
凹凸がなく溝が切ってあるだけのようなものは、雪や氷の上では非常によく滑ってしまいます。
②ソールに適度な硬さがあることも大切です。ソールに適度な硬さがあると地面を踏みしめたときに安定感があります。
ただし、これは①のようなソールの靴であれば適度な硬さを備えている場合が多いので、問題ないでしょう。
③足にフィットしていることも大切です。滑りにくい靴であっても、靴の中で足がずれるとバランスを崩してスリップしやすくなります。
上記の3つが雪道を歩くときに適した靴の最低条件です。これに加えて防水性があるとさらに良いでしょう。
◎オススメシューズ
また、靴に装着する滑り止めスパイクを使うことも効果的です。
バスや電車のような車内や地下街では外す必要がありますが、普段の靴でも雪道でのグリップ力が向上しますよ。
Q.それ以外に雪道歩行のポイントがあれば教えてください。
A.両手を空けておくことも大切ですね。
万が一スリップしたときに備えて両手を空けておくことも大切です。荷物はバックパックで背負えば歩くときにバランスが良いですし、両手を空けることもできるので一石二鳥です。もちろん、寒いからといって手をポケットに入れて歩いたり、歩きスマホなんかは厳禁ですよ!
まとめ
〇歩幅は小さく、足裏全体で着地するフラットフッティングを心がけよう!
〇雪道を歩くときはソールのしっかりとした滑りにくい靴を選ぼう!
以上、田中ガイドに聞いた雪道の歩き方でした。
これからもしばらくは例年以上に寒い日が続きますので、雪道を歩く際には参考にしてください。
この記事を書いたのは「気象予報士スタッフ 石井」
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