ピッケルの基礎知識(名称・種類・素材)と選び方

【ピッケルの主な役割】

ピッケルは積雪期の登山をサポートし、安全を確保するために使う道具です。
主な役割としては

・雪面歩行時のバランス保持

pick1

杖として使用し、バランスを確保します。
一般的な登山の際に、メインとなる使用方法です。

・急斜面の登降時のホールド(手がかり)

pick3

足場が不安定な所や急斜面で、スピッツェやピックを雪面に刺して、手がかり・足がかりにします。

・転倒時の滑落防止

pick2

斜面や稜線(山の尾根)で転倒した際、
雪面にピックを突き刺して滑落を防止します。

※ピッケルの詳しい使用方法については
必ずガイド・専門家や経験者に直接ご確認ください。

【ピッケルの部位の名称】

pick4

・ブレード

刃の幅広の部分。雪や氷を削って足がかりを作る際などに使用します。

・ピック

刃の細く尖った部分。

・シャフト(柄)

・スピッツェ(石突)

柄の下端に付いた尖った部分

【ピッケルの種類】

ピッケルは目指す山やルートによって適応するモデルが異なります。

・一般縦走用

pick6

雪の稜線を歩いたり、頂上を目指す冬山の一般的な縦走に使用します。
杖としての用途が中心となるのでシャフト(柄)がまっすぐのものがおすすめです。

・ミックス(MIX)ルート用

pick7

急斜面や岩稜・雪稜(岩場や積雪のある稜線や斜面)が混ざったルート用に使用します。
硬い氷にも対応できるピックを持つものを選ぶ必要があります。

その他にも…

アイスクライミング用

pick8

氷壁のクライミングに使用するモデルです。
シャフトは短めで角度がついたピックなどの特徴と共に
ブレードの部分がハンマーになったタイプがあります。

【ピッケルの素材】

pick9

・アルミ合金製

軽量なのが利点。雪が柔らかい春山や滑落の恐れのない山域での使用に適しています。

・鋼鉄製

急斜面や岩稜・雪稜があるミックスルートの際には強度がある鋼鉄製のものを使用してください。

【身体にあったピッケルの選び方】

pick5

持った際にスピッツェが、くるぶしの位置にあるくらいの長さが一般的です。
杖としての用途が中心の場合は長め、急斜面の登り下りが中心の場合は短めがおすすめです。

【ピッケルと一緒に必要なもの】

・ピッケルバンド

pick11

ピッケルを落として無くさないように、身体に固定するためのバンドです。
肩からかけるショルダータイプ、手首につけるリストタイプがあります。
雪山でピッケルを無くすと命に関わるので、必ず用意してください。

・ヘッドガード・スピッツェカバー

pick10

ピックやスピッツェは鋭利な刃物です。
使用しない時は専用のカバーを装着しましょう。

まとめ

道具に対する正しい知識を持つことで実際の登山での安心に繋がります。
冬山は他の季節以上に充分な準備が必要になりますので
経験者や店舗のスタッフに相談し、適切なピッケルを選ぶようにしましょう。