夏の山には、楽しみが沢山!
紺碧の空に届きそうな3000m級の山々も、
歩くだけで大汗が出る里山も、
山の中の沢に飛び込むのも、
山小屋に宿泊して登山者同士で交流を深めるのも、
テントを背負って自然を肌で感じるのも、
それぞれに違った楽しみがあります。
そんな夏山、ここでは特に富士山について、
楽しみや失敗しないポイントを旭ガイドに聞いてみました。
(この記事は2016年夏の記事を再編集しています)
Q1.富士登山の魅力や楽しみ方と言えば?
A.歴史や文化を事前に調べておくとより思い出深いものに
富士山と言えば誰もが知っている日本一の山。
日本一の山への登頂、ご来光、展望や影富士などあたり前の楽しみもありますが、活火山ならではの生命感や自然景観、気候の変化等に道中は目を向けるとより楽しい登山となります。
事前には、信仰の対象であり芸術の源泉である富士山の歴史、文化等を調べておくとより思い出深いものに。
ぜひ、ご自身で様々な魅力を体験してみてください。
Q2.富士登山での失敗談はありますか?
A.高度に対する意識は持っておきましょう
私の失敗談は、初めての富士登山時。
まだ登山を初めたばかりで体力だけに頼った登山でした。
5合目で高度順応もしっかりしないまま、力に任せハイペースで歩いた上、こまめな水分補給もろくにせず。
8合目の小屋で宿泊時から、下山するまで頭痛に悩まされました。
完全に知識不足で、高度に対する意識が全くありませんでした。
思い出すと、恥ずかしい過去の自分です。
Q3.あると便利な装備や注意点は?
A.ハイドレーションやボトルでこまめに水分を補給しましょう
高度が高くなるにつれて気圧が下がり、血中酸素濃度が低下することで身体にいろいろな変調をきたします。
初期症状では、頭痛や吐き気、めまい、食欲不振等の二日酔いに似た症状が現れます。
症状が出た場合は無理をしないでしばらく休憩したりペースをもっとゆっくりにしたりする。
ひどくなったり状況が改善されない場合は下山がベターです。
オーバーペースで行動すれば、ただでさえ薄い血中の酸素をさらに消費してしまい苦しくなるのは当然です。
体力はあるにこした事はないですが、高度が身体に及ぼす影響は体力だけではカバーできません。
先ほどの「過去の私の失敗」の様にならないでください。
高山病にならないようにするためには、酸素をできるだけ取り込み(呼吸)、逆になるべく消費しないようにすること(スローペース)を意識するのが大切だということです。
【1】高度順応をして登山をする
五合目に到着したら、すぐに登り始めるのは禁物。ゆっくりして身体を高所に慣らしましょう。
また登り始めは意識的にゆっくり歩いてください。
【2】酸素を十分に取り入れる
腹式呼吸を意識し、オーバーペースにならない。
【3】意識的な水分補給
鼻・口から吸い込んだ酸素が血液中のヘモグロビンと結合し、全身に運ばれることによって、人間の生命は保たれています。
血液がネバネバになると血管を流れにくくなりますし、高所は乾燥していますので、意識的に十分な水分を取ることに努めてください。
ハイドレーションがおすすめ
おすすめのアイテムは、水分補給をいつも出来る様にハイドレーション。
ただ山小屋の中では利用しにくいのでナルゲンや、クリーンカティーンの様なボトルも装備にプラス。
山小屋での宿泊時には、シルクのインナーシーツがおすすめです。
温かいし、清潔なマイシーツで快適に過ごせます。
今回、夏山の楽しみや失敗しないポイントを教えてくれたのは「旭ガイド」
- 旭 立太(あさひりゅうた)
- 公益社団法人日本山岳ガイド協会 山岳ガイドステージⅠ/スキーガイドステージII
日本雪崩ネットワーク・プロフェッショナルメンバー
Wilderness First Aid(50時間の野外救急法)
環境省自然公園指導員
>ガイドコラムへ
1977年生まれ。スノーボードバックカントリーの世界に魅了され、自身が感じた山や自然の魅力、その魅力が詰まった安全で楽しい山旅の提供をしたいと思いガイドの道へ。
自然のリズムに合わせ四季を通じて山へ登り、冬期はスプリットボードでフィールドを開拓中。
≪主な海外山行≫
■マッキンリー山頂よりスノーボードで滑走(6168m)
≪関連ホームページ・ブログ≫
■リズムワークス
この記事を書いたのは「好日山荘マガジン 編集部」
登山・クライミング・キャンプのプロ、好日山荘スタッフによる編集部。あなたのアウトドアライフを応援します!
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