宇宙からも見ることができるほど高く、大きくすそ野を引く富士山は、日本人の心にどっしりと根ざしています。
富士山を四方に離れるにしたがい、その雄大な姿を大きく現わし、時には周囲の山々に姿を隠してしまいます。小高い頂に立てばまた大きな姿を見せてくれます。
あなたの好きな富士山は、富士山のある景色でしょうか。あなたが富士山と共にいる景色でしょうか。
遠くに見える小さな富士山、多彩な雲と共演する富士山、車窓から見える富士山、日ごろ使う紙幣や浮世絵や絵画や写真などにも登場する富士山は山登りをする人もしない人も愛される存在です。
2月23日は「富士山の日」です。
平成10年11月18日に静岡県と山梨県が共同して制定した「富士山憲章」の理念に基づき、日本の象徴である富士山について学び、考え、思いを寄せ、富士山の豊かな恵みに感謝するとともに、富士山を後世に引き継ぐことを期する日として、静岡県と山梨県が条例で定めた日が「富士山の日」です。
令和二年からは、令和天皇の誕生日と重なり祝日になっています。これを機会に富士山のことを調べてみました。
富士山基礎知識
富士山は、日本一標高が高い成層火山として有名で、均整のとれた山体の美しさは世界的に知られています。標高は3,776mで、山腹には宝永山・大室山など70以上の側火山(中腹や山麓に生じた小火山)が存在し、その多くは北西~南東方向に並んでいます。これらから流れ出た溶岩流は富士五湖(山中湖・河口湖・西湖・精進湖・本栖湖)を形成しました。
出典:環境省ホームページ https://www.env.go.jp/park/fujihakone/point/index.html
北西山麓の溶岩流の上には広大な原生林である青木ヶ原樹海が広がっています。西暦864年の噴火で流れ出た溶岩流の上には、長い年月を経て広大な原生林になりました。そう、あの有名な青木ヶ原樹海が広がっているのです。
誕生したのは約10万年前のこと。愛鷹山と小御岳の間で噴火が起きて富士山の原型となる古富士が出現し、その後数百回にも及ぶ噴火と数度の大きな山体崩壊を経て現在のような美しい姿になったと言われています。
2013年には、ユネスコ(国際連合教育科学文化機関)が定めた「世界の文化遺産及び自然遺産の保護に関する条約」に基づき「富士山―信仰の対象と芸術の源泉」に世界文化遺産として登録されました。
人類共通のかけがえのない財産として、国際的に保全し、未来に残すことが求められています。
今回は日本の歴史文化を育み見守ってきた富士山をぐるりと旅してきました。
富士山を眺める旅へ。
新幹線に乗って東へ向かうときは見える席を予約。近づいてくるとソワソワして運よく見れてもほんの一瞬。でも何だかうれしくなる。
私にとってそんな存在の富士山を色んな角度から眺める旅へ出かけました。
行く理由はただひとつ。富士山の姿をゆっくりみるためです。
いつかの新幹線の車窓からの富士山。障害物がなく撮れた一枚。
まず向かった先は、新幹線の駅に近い富士川河川敷。
はじまりはまさに ♪あ~たまをくもの~うえにだし~ をあらわしてくれた富士山。
なんとなく雲行きが気になりますが、晴れることを祈りつつ、次へ移動します。
田子の浦にある公園の「富士山ドラゴンタワー」にのぼって見てみます。立派なタワーですが…
残念!隠れちゃった!
富士山世界文化遺産の構成資産に登録された三保の松原へ。
奇跡的に雲が移動してくれて素晴らしい景色を見ることが出来ました。
昔から変わらない景色、徒歩で東海道を旅した人々は現代より長い時間を富士山と一緒にいたのだと思うと、時を忘れて立ち尽くしてしまいました。
突然ですが中学生のときの修学旅行で大雨で見れなかったものがありました。お分かりかと思いますが「富士山」です。
そのときに立ち寄るはずのこちらも実は見れなかったんです。
富士山世界文化遺産の構成資産に登録された「白糸の滝」
高さ20m、幅150mの湾曲した絶壁の全面にかかる白糸の滝は、一部を除いてほとんどは富士山の湧水。年間を通じて水温12℃、毎秒1.5トンが流れでているといわれています。
実際に見てみるととてもよく観察できたのですが、岩壁の隙間からも無数の水が流れてことを見ることができました。
悠久の時間軸で考えると富士山が一気にできたのでなく、幾度となく繰り返した噴火と噴火のすき間から水が湧き出ていることが良くわかります。
白糸の滝からは富士山は見ることが出来ませんが、駐車場からは近くに眺めることできます。
富士山を囲むようにしてたくさんの湖があります。
湖越しの富士山色々
田貫湖
本栖湖
西湖
河口湖
山中湖
富士山信仰
古代の富士山は、活発に噴火する山であり、人々は富士山を畏れ敬い、山そのものを神として祀った。冨士山本宮浅間大社の前身とされる山宮浅間神社には社殿がなく、富士山を遥拝所があり、古い富士山信仰の形をとどめているものと考えられる。富士山は8世紀末から200年間はたびたび噴火を繰り返し、9世紀には富士山を祀る神社(浅間神社)が山麓に作られたと考えられています。火山活動が休止期に入ると、日本古来の山岳信仰と密教・道教(神仙思想)が習合した修験道による活動が富士山で活発化し始めた。
北口本宮冨士浅間神社にお参りしました。
鳥居から本殿に続く長くて綺麗な参道は入った途端空気が変わったかのように歩いているだけで神聖なパワーを感じます。
太郎杉
夫婦桧
苔むした石灯籠はどなたが寄進したのでしょうか。石灯籠を覗いてみたら、灯した参道を参拝する善男善女の姿が目に浮かぶようでした。
旅で出会った富士山
ふもとっぱらから
大涌谷にもはじめていきました。そこからももちろん見えました!
箱根 駒ヶ岳ロープ―ウェイにも乗ってみました。
長尾峠から
どこかから撮影した富士山。たくさんのお山がぽこぽこ。角度が違えばまた違う雰囲気になります。
眺める旅もそろそろ終わりです。
名残惜しくてついには車から激写!
見える場所によって形の違ういろんな富士山を楽しんでいただけたでしょうか。
富士山の日に、思いを馳せていただくのも良いかと思います。
毎年夏に開山される富士山ですが、昨年は登ることができませんでした。
令和三年はどのようになるでしょうか。
いつ見ても美しく感動させてくれて、
色んなことでみんなを楽しませてくれる富士山は、やはり偉大。日本一です。
世界遺産富士山とことんガイド
富士山にのぼりたい!富士登山を検討している方にチェックして欲しいサイト
富士登山オフィシャルサイト
http://www.fujisan-climb.jp/index.html
富士山に会いたくなったら見たいサイト
山梨県富士吉田市観光ガイド
フジサンノフモト
おまけ
実はまだ富士山に登ったことのない私の好きなご当地富士
伯耆富士(鳥取県:伯耆大山)
いつかの伯耆大山。行くたびにいつも雲のなか。なかなか姿をあらわしてくれないので見れるとめちゃくちゃうれしい!
ちなみにこちらは鳥取県伯耆町にある植田正治写真美術館からの眺め。
近くの公園の富士山。小さなころから遊んでいたのに富士山に似ていると気づいたのは山が好きになってから。
何だかこの形を見るとテンションが上がります。
身近なところでの富士山探しも楽しんでみてはいかがでしょうか。
好日山荘マガジン編集部:関本 亜紀
この記事を書いたのは「好日山荘マガジン 編集部」
登山・クライミング・キャンプのプロ、好日山荘スタッフによる編集部。あなたのアウトドアライフを応援します!
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