やってみよう”時差登山” 近所でリフレッシュ。

「時差登山」って?

「時差」といわれて思いつく物、「通勤時間」「勤務時間」などなどが身近でメジャーでしょうか?

混雑を避けたりピークタイムを分散するために、色んなアイデアで「時差」が推奨されています。

好日山荘では登山においても「多くの人が登る時間をさけて、登山や自然の良さを満喫(うまくいけば貸切りで!?)」する為にも「時差登山」をお勧めしています。

月もまだ高い位置に。駅も車内も空いてます。

いつもなら、この時間には・・・

今回訪れたのは兵庫県の宝塚北部に位置する「中山連山」。麓には安産の観音様として有名な中山寺があったり、コースの一部は宝塚自然休養林として指定されているなど、地元の方の散歩や毎日登山のコースとして、また近畿圏から多くのハイカーが訪れる里山として知られています。

神戸市内在住の私が、この山に登ろうと思うと、ドアtoトレイルヘッドで1時間半弱。 時差登山「でなければ」、朝8時前後に自宅をでる計画を立てますが、今回は早目の仕掛けで早目に登りきる「時差登山」、月がまだ煌々と西の空に輝く時間、白い息を吐きインサレーションウェアを着込んで自宅を出発。最寄駅からの始発に乗りこんで一路、阪急宝塚線の山本駅へ向かいました。

阪急 山本駅ロータリー。通勤・通学の方と入れ違いです。

どこもかしこも貸切りです

今回の縦走路の最高峰にあたる「中山」でもその標高は478m、所謂里山で登山道も斜度は緩やかで歩きやすいトレイルが続きます。

唯一のハード(!?)な登山道は「ロックガーデン」と冠された岩場ですがここからの絶景を独り占め。核心ともいえるハードな場所では、他のハイカーがいる時には転ばないようにとか、邪魔にならないようにとか、休憩場所も安全で広い所を選んだりとか・・・兎角色んな配慮が必要ですが、朝一は見事に人がおらず、ここでゆっくりのんびり、自分の好きな場所で休息を取ることが出来ました。

距離短く、標高低くとも楽しい所は沢山。だから低山はやめられません。

まだまだ貸切りは続きます

その後、稜線にでると緩やかなアップダウンを繰り返すシングルトラックが続いていきます。年配の方や親子連れにも人気があるのも納得です。時差登山で自分以外は誰もいない完全ソロハイキング中だったからなのか「みんなでワイワイおしゃべりしながら登れる山だな」と普段だったら考えもしない事が頭を巡ってました。

山の中は、まだまだ冬です。

その時が遂に・・・

ほんとに誰も出会わないひとり歩きが続きましたが、歩き始めて1時間半強でようやく「第一登山者、発見」です。

挨拶もそこそこに、距離を取ってすれ違います。その服装や装備から察するに近所にお住まいであろう「毎日登山」の方かな、とお見受けしました。

「時差登山」だからこそ

その後中山山頂から夫婦岩を経由し中山寺へと下山していくのですが、分岐を数回通過してからすこしずつ人が・・・。

そして夫婦岩に向かう手前からは、堰を切ったようにどんどん登ってくる人がやってきます。さすが毎日登山やウォーキングが盛んな山、老若男女問わずハイカーがやってきます。

しかし、ここで「時差登山」の恩恵です。それは何かというと「皆さんが登りで、私は下り」なので、すれ違うばかりで、密集や混雑を避ける事が出来ました。

右下の画像、私が下山した時刻にこの広場から登り始める方が結構いました。

時差登山のメリットはその他にも

その後、せっかくなので中山寺を参拝。気になっていた「青い五重の塔」を見物。やはりメジャーなお寺だけに参拝者は沢山ですが、広い境内なので混雑をかわす事は労せずでした。

ちなみに、この中山寺は境内のライブカメラの模様をホームページから見る事が可能で、私も下山してから境内に入る前に即チェックしました。

参拝後は境内にある軽食・喫茶「梵天」さんにお邪魔して、名物の「蓮ごはん」をいただく事に。蓮の葉に包まれた筍や銀杏などが入った炊き込みご飯で蓮のかおりが微かに香ります。素朴な味に心和む時間でしたが、ここでも時差登山のメリット!店内はほぼ貸切。私が入店した時にお客様はゼロ。食事中に何名かの入店がありましたが、それでも広くて天井の高い店内で、なんとなく安心です。

食後は、近くにある温泉施設「宝乃湯」さんで、ひとっ風呂。こちらの源泉は有馬温泉の黄金泉と湯質が「ほぼ」同じとの事。確かに有馬の「金泉」に色とお湯の感じは似ています。

日本三大名泉の有馬温泉とほぼ同じクオリティのお湯が気軽に楽しめるなんて、近所の方が羨ましい限りです。

ここでも混雑は起きておらず、ゆっくりお湯を楽しめました。朝ぶろでも夕方のピークタイムでもない、午後のまったりした温泉タイムを満喫したのでした。

いいお湯を「宝乃湯」でゆっくり堪能(上)帰宅時も駅には人影はまばら(下)

帰宅時もゆうゆうと

温泉をゆっくり楽しんで、登山の汗をながしたら帰宅です。駅も電車も人はまばら。帰宅ラッシュにも学生さんの帰宅時間にもはまらない午後3時あたり。電車で気持ちよくうとうとしながら帰路につきました。

普段から行きなれた山でこそ、「時差登山」を

私の場合は近場にしては「超」早朝からのスタートでしたが、近場でのナイトハイクなども面白いかもしれません

(*ナイトハイクは熟知したコースで、きちんと装備をして慎重にお楽しみください)

オフピークで登山をしてみると、アプローチでは普段見られない街の風景や山の中での空気感や静けさなどに、いつもと違う物を感じる事ができるかもしれません。

この季節なら、日の出を拝むこともできそうです。

皆さんもご自分の目的に合わせた、オフピーク活動「時差登山」を楽しんでみてはいかがでしょうか。

山はまだまだ冬枯れでしたが、麓の中山寺では梅がちらほら。

 

今回訪れた、中山寺は梅林も有名です(ライブカメラもトップページからジャンプできます)

好日山荘マガジンライター:菰下 了

この記事を書いたのは「好日山荘マガジン 編集部」

好日山荘マガジン 編集部

登山・クライミング・キャンプのプロ、好日山荘スタッフによる編集部。あなたのアウトドアライフを応援します!