【北アルプス 立山三山(浄土山・雄山・別山)】 今年の夏は北アルプスデビュー!

北アルプスでも最北部に位置する天空の箱庭 立山。
黒部アルペンルートで簡単にアクセスでき、
登山やハイキングだけでなく、日本最大級の人工物「黒部ダム」や大自然を楽しむロープウェイ観光、温泉も。
ちょっと北へ目を向ければ、国内最難関一般登山道を持つ針山のような剱岳。

憧れの北アルプス 立山へ!
今年の夏は北アルプスデビューしてみませんか?

立山(立山三山)ってどんなところ?
立山三山縦走ルートのご紹介
立山三山以外のルートのご紹介
雄山登頂ルート
剱岳登頂ルート
立山へのアクセス
立山周辺のたのしみ
参考になる登山レポート
立山三山縦走ルート
雄山登頂ルート
剱岳登頂ルート

 

立山(立山三山)ってどんなところ?

富山県東部に位置する中部山岳国立公園 立山連峰の主峰。
一般的に立山三山というと、雄山(3003m)、浄土山(2831m)、別山(2880m)の3つを指します。
また、ただ立山というと、雄山(3003m)、大汝山(3015m)、富士ノ折立(2999m)の3つの総称になります。
厳密には「立山」という名前の単独峰は存在しません。

室堂、みくりが池、雷鳥平を中心に南から東、北へ半円周状に壁のように山々が連なります。
(別山・別山乗越から先は西の奥大日岳・大日岳へと続きます)

雄山は映画「劒岳 点の記」で有名な剱岳と対をなす山です。
山岳信仰として奈良時代には開山していたようです。
立山修験(立山信仰)では雄山が極楽浄土の仏の山、剱岳が針山地獄の山、中心にある地獄谷が地獄、みくりが池は血の池とされています。

 

立山三山縦走ルートのご紹介

室堂→(90分)→浄土山北峰→(10分)→南峰→(30分)→一ノ越山荘→(60分)→雄山→(20分)→
大汝山→(15分)→富士ノ折立(ピークを巻いています。ピークまでは岩登り片道10分程度)→(20分)→
大走り分岐→(10分)→真砂岳→(60分)→別山南峰(北峰までは片道10分程度)→(20分)→
別山乗越(剱御前小舎)→(80分)→)雷鳥沢キャンプ場→(60分)→みくりが池→(20分)→室堂

※コースタイムとしては長めなので、雷鳥沢キャンプ場や室堂周辺での前日入り泊がオススメです。

立山黒部アルペンルート 室堂駅を中心にぐるりと南から東、北へ。
すり鉢状の地形の縁を歩き、そしてまた中心へ戻るルートです。
ルート上は岩がゴロゴロしており、転倒への注意が必要です。
営業小屋が一定間隔であり、一ノ越山荘、大汝小屋、内蔵助小屋(若干ルートを外れます)、剱御前小屋が営業しています。
少し長めのコースタイムですので、途中で大汝小屋以外の小屋に宿泊するか、室堂周辺の小屋で宿泊することも考えておきましょう。
浄土山や雄山からは、北アルプス南部の山々が美しく見える事でしょう。
別山からは、ダイナミックで鋭い山容の剱岳を眺めることが出来ます。


立山室堂で立山黒部アルペンルートを下車すると、目の前に立山三山の壁のような姿が目に飛び込んできます。


室堂ターミナルから見て、右側に浄土山が見えます。


そこから南へ。浄土山へ向かいます。
室堂から途中の展望台までは石畳で整備されています。


「浄土山登山口」と書かれた標識から本格的な登山道となります。
初夏の頃は雪渓で覆われていることもあります。


岩もごろごろ。不安定な岩も多いので注意して登りましょう。
上部にはお花畑が広がります。


浄土山から一ノ越山荘へ下っていきます。
一ノ越山荘は一ノ越というコルに立つ小屋です。
雄山のみを登頂される方は、浄土山を通らず、室堂からまっすぐ一ノ越をめざします。

 

一の越山荘
・営業期間 : 4月29日 〜 10月中旬
・料金 : 一泊2食 9,300円、素泊まり 5,500円
一の越山荘ホームページ


一ノ越から雄山へは、岩がゴロゴロした斜面を登っていきます。
沢山の登山者でにぎわいますので、落石にはご注意ください。


雄山にある雄山神社に到着です。
雄山は神社の山で、立山頂上 峰本社・芦峅中宮 祈願殿・岩峅 前立社壇の三社殿から成り立っています。


例年、7/1~9/30の間、頂上峰本社で御祈祷(初穂料をお納めいただきます)をお受けできます。
今回の旅と登山の安全を祈願するのも良いでしょう。
鈴付きの「立山頂上雄山神社」の赤札が授与されます。
雄山神社 http://www.oyamajinja.org/


雄山神社の本殿と社務所の間に室堂側へ脇道があります。
それが大汝山への登山道です。
岩がゴロゴロしており、転倒や滑落に注意してください。
大きなアップダウンはありません。


大汝山には「大汝休憩所」があります。

大汝休憩所(雷鳥荘直営)
・営業期間:7月上旬~9月上旬
・お手洗い:有
・売店:軽食等
・宿泊:悪天候避難時のみ宿泊可(原則、宿泊はできません)
・連絡先:TEL.076-463-1664


登山道は、富士ノ折立のピークを通りません。
巻くように道が付けられています。
富士ノ折立のピークに登るルートは厳密に決められていません。
大汝山から続く稜線をそのまま登り詰めていくか、ピーク足元の岩場の急斜面を登っていきます。
崩れやすいので滑落や、下の登山道を歩く人へ落石を落とさないよう注意して下さい。


富士ノ折立から黒部ダムも見えます。


富士ノ折立から100m程一気に下り、真砂岳へ至る登山道の途中に「大走り分岐」があります。
大走り分岐から大走谷を経由して雷鳥平へ下ることが出来ます。
天候や体調が悪化したような場合はここをエスケープルートとしてください。
真砂岳付近に立つ内蔵助山荘は、内蔵助山荘ホームページまたは、内蔵助山荘FACEBOOKにて営業状況を確認してください。

内蔵助山荘
・営業期間 : 7月上旬~10月上旬
・料金 : 一泊二食 9500円
内蔵助山荘ホームページ
内蔵助山荘Facebook


別山南峰
別山は多くの方が南峰を通過されます。


別山付近の稜線から見える剱岳。
美しい山の風景ですが、荒々しさに震えそうですね。


稜線の歩きやすい道を行くと別山乗越、剱御前小舎です。
ここは雷鳥平から雷鳥坂を通り、剱岳へ登頂する登山者が通ります。
多くの方でにぎわいます。

剱御前小舎
・営業期間 : 4月25日〜10月22日まで
・料金 : 一泊二食 10000円、素泊まり 7000円
・売店 : あり(飲み物・軽食 11:00~13:00)
・ホームページ : 剱御前小舎ホームページ


雷鳥坂はつづら折りの急な坂を下っていきます。
立山三山を歩きとおしているとここの下りで足がガクガクしているかもしれません。
転倒、落石落としに注意してください。


雷鳥平、雷鳥沢キャンプ場は、登山者やキャンプ愛好家で沢山のテントが並びます。
近くの山荘では日帰り温泉入浴もできます。
登山の疲れを癒す、ゆっくり立山の空気を楽しむのも良いでしょう

 

立山三山以外のルートのご紹介

■雄山登頂ルート

室堂→(80分)→一ノ越山荘→(60分)→雄山


室堂ターミナルを出て、石畳の道を行きます。
室堂ターミナルには「玉殿の湧水」という名水が湧き出ています。
ここでお水を汲んでおくとよいでしょう。

玉殿の湧水
立山主峰「雄山」から湧き出る名水で、
立山に降り積もった雪が立山で200~300年もの歳月をかけてゆっくりと自然に濾過され、適度なミネラルが含まれた軟水です。
豪雪地帯のため、7~11月の5ヶ月間のみ湧き出ています。
お腹にも優しく、飲料水として最適です。


10分程で、浄土山、雄山(一ノ越)、立山室堂山荘の分岐点に至ります。
立山室堂山荘には、建物の脇に「室堂小屋」とういう建物があります。

室堂小屋
室堂小屋は享保11年(1726年)に建立した建物で日本最古の山小屋です。
1980年代まで立山室堂山荘の山小屋として実際に使用されていました。
現在は、建築当時の建材が大多数残された歴史文化財として、県の指定有形文化財に登録、保存されています。
以前の調査の際には、12世紀の宗教的遺物や15世紀頃に建てられた礎石も確認され、この小屋の歴史が遥か昔から続いていることが分かります。


一ノ越に近づくにつれて、傾斜がじょじょに急になってきます。
つづら折りの石畳の道が一ノ越まで続きます。
雪渓も残っている場合もありますが、危険なため飛び乗ったりしないようにしてください。


一ノ越から雄山への急登です。
岩がごろごろしています。
転倒や落石に注意してください。
あまり両斜面側には近づかないように。
一ノ越は東西南北、立山と黒部、南の五色ヶ原への交通の要所です。
北:雄山、立山縦走へ
南:浄土山、獅子岳、ザラ峠を通り、五色ヶ原、北アルプス西銀座ルートへ
西:室堂
東:大観峰を通り、黒部湖へ


雄山頂上に到着です。
3000mを越えた稜線で、360度に渡って、広く見渡すことが出来ます。
雄山頂上の東側に鹿島槍ヶ岳、南側に槍ヶ岳や穂高岳、西側には今着た室堂や大日岳が見えます。


雄山では社務所のある建物と、雄山頂上に立つ峰本社に分かれています。
夏の時期、頂上は御祈祷(初穂料が必要です)を頂けますので、登頂記念にいかがでしょうか?

 

■剱岳登頂ルート(別山尾根ルート)

室堂→(15分)→みくりが池→(45分)→雷鳥沢キャンプ場→(120分)→剱御前小舎→(40分)→
剱沢小屋(剱沢野営場)→(30分)→剣山荘→(40分)→
一服剱→(70分)→前剱→(50分)→平蔵のコル→(40分)→剱岳

※休憩時間を含まず、室堂から剱岳の往復で約13~15時間程度、剣山荘から剱岳の往復で6時間程度かかります。
※多くの方は、剱沢小屋や剣山荘で小屋泊、または剱沢野営場でテント泊して、朝早めに剱岳を目指してスタートします。

剱澤小屋
・料金 : 1泊2食10000円、素泊まり7000円
・売店 : あり(各種お土産、飲み物、おつまみなど)
・珍しい点 : シャワー室(時間指定あり)
・予約 : Tel 076 482-1319
剱澤小屋ホームページ
剱澤小屋のブログ

剣山荘
・利用可能期間 : 6月下旬~10月上旬
・料金 : 1泊2食付 10,000円、素泊まり 7,000円
・売店 : あり(各種お土産、飲み物、おつまみなど)
・珍しい点 : シャワー室
・予約 : 076 482-1564
剣山荘剱澤小屋ホームページ

剱澤野営場
・利用可能期間 : 7月~10月頃
・料金 : 1人500円
・トイレ : バイオトイレあり
・水場 : 野営場管理所の前にあり


剣山荘の裏手の斜面から登っていきます。


前剱の前の急な岩場と大岩
ここから一気に前剱まで登っていきます。
落石が多発しますのでよく注意してください。


前剱から正面に見える剱岳。


前剱付近の危険な鎖場。
切り立った大岩の上部、ななめに掛けられた鎖を登っていきます。
近くに行くと足場もしっかりあるため、落ち着いて焦らず登って通過しましょう。
鎖場の手前の細い鉄の橋もよく注意して渡ってください。


平蔵の頭(7番目の鎖)
岩に細い金属ボルトが撃ち込まれています。
これを足掛かりに鎖を登っていきます。
下部から上部に向かって反った壁ですので、下部から上が見えません。


カニのタテバイ
カニのタテバイのルート拡大図と、壁に張り付く登山者を拡大しました。
スケール感が分かりますでしょうか?

剱岳一般登山道の核心部分です。
ここまで沢山の岩場、鎖場を通り、体力が減ってきたところで現れる垂直の岩場の壁です。
長い鎖、ボルトが敷設されていますが、一手一歩、しっかりと岩も掴んでください。
ハイシーズンでは渋滞することも多いです。
落石の危険があるため、先行者を待つ後続の方は岩場から離れた位置で待っていてください。


頂上までの稜線途中で、馬場島から始まる早月尾根ルートと合流します。
稜線に出ると岩がゴロゴロしていますが、これまでと違い快適な稜線歩きと感じる事でしょう。


剱岳登頂です!
2999mの看板がまぶしいですね。
それほど広くない頂上ですが、平に近いです。


剱沢の大斜面、北アルプス、黒部の山々、そして日本海。
辛い登りの岩場と鎖場を越えた登山者のみ許される絶景です!


反対側には北方稜線への看板があります。
バリエーションルートになりますので、近づかないようにしてください。
下山は一部別のルートを行きます。


カニのヨコバイ
一見すると鎖しかなく、足場が無いように見えます。
思い切って鎖を握って身を乗り出してみましょう。
岩の壁に足場が掘られているのが見えます。
壁に向かって鎖を握り、見えない位置の穴に足を入れてください。
そこからは鎖をしっかりと握って気を付けて降りてください。
場合によっては、スワミベルト、スリング&カラビナを2セット用意して命綱を作っても良いでしょう。


こんな立派な垂直のハシゴもあります。
目もくらみそうな高さ!(@_@


平蔵の頭(12番目の鎖)
登り下りが別になっています。
鎖場が2段構成で、その間に滑りやすい岩の斜面を横移動するポイントがあります。
下山道の平蔵の頭でここが一番危険です。
このポイントは雨の日や霧の日に滑りやすく滑落リスクがあります。
岩に対して垂直に登山靴を当て、グリップを最大限使ってください。


幾多の岩場、鎖場を越え、剱岳を登頂。
下山も気を抜けない岩場、鎖場が数多く続く。
恐怖と体力の微妙なバランスを越え、ふたたび剣山荘へ。
振り返った剱岳は登りはじめとまた違った見た目で見える事でしょう。

 

立山へのアクセス

■交通機関を利用する

立山黒部アルペンルートをご利用いただきます。
各路線については、立山黒部アルペンルートのページをご覧ください。
こちらのルートは観光路線としても人気が高く、どの季節でも混雑が予想されます。
時刻表が掲載されておりますが、定員オーバーの際は時刻表通りに乗ることが出来ません。
余裕を持ったスケジュールをおすすめいたします。

【富山側より】
富山駅から富山地方鉄道で立山駅へ。そこから立山ケーブルカー、立山高原バスを乗り継ぎ室堂へ至ります。

【長野側より】
信濃大町駅からバスで扇沢駅へ。そこから関電トンネルトロリーバス、黒部ケーブルカー、立山ロープウェイ、立山トンネルトロリーバスを乗り継ぎ室堂へ至ります。
立山黒部アルペンルート http://www.alpen-route.com/

 

■お車を利用する

※富山側は立山駅付近まで、長野側は扇沢駅までしか入ることが出来ません。

【富山側から】
北陸自動車道 立山ICを降り、県道3号線、6号線を南へ。川沿いにすすみ、立山駅へ至ります。

【長野側から】
長野自動車道 松本ICから国道158号を東へ進み、渚一丁目交差点を北へ。
国道19号を北上、平瀬口から国道147号線・148号線を北上。
俵町一丁目交差点を北西へ進むとやがて扇沢駅へ至る。

 

立山周辺のたのしみ

■黒部峡谷鉄道

宇奈月から欅平まで全長約20km。黒部峡谷を走るトロッコ電車です。
客車は窓が無いオープン型で、黒部の渓谷や大自然の景色を目だけでなく、肌でも感じることが出来ます。
欅平周辺は温泉地で、秘湯温泉を楽しむことが出来ます。
黒部峡谷鉄道 http://www.kurotetu.co.jp/

また、ここから黒部湖方面とは「下ノ廊下」で繋がっています。
黒部峡谷の断崖絶壁に掘られた道で、雪解けが進むと道が通れるようになります。
例年9月中頃から10月末頃まで通行できるようになりますが、年によっては通行できない場合もあります。

■氷見の街

氷見市は能登半島の付け根、富山湾側にある市。様々な楽しみがあります。
氷見市観光ポータルサイト https://www.kitokitohimi.com/
【食】
・日本海側の新鮮な魚介類は絶品。ホタルイカが特にオススメ!
・実は魚介だけでなく、氷見牛というA4ランク以上が85%を超える最高級黒毛和牛の産地でもあります。

【自然】
・海越しに臨む立山連峰の景観は全国的にも有名です。
特に冬場の空気の澄んだ時期、白い立山・剱岳と海の青との対比はすばらしいものです。
・蜃気楼でも有名です。

【エンターテイメント】
・藤子不二雄A氏の出身地でもあり、氏の作品のイラスト電車やキャラクターの噴水や石像など多数のキャラクターが迎えてくれます。

 

参考になる登山レポート

■立山三山縦走ルート

立山一周登山
入山日: 2014年09月16日 (火)~2014年09月17日 (水)

 

立山二山縦走
入山日: 2014年09月16日 (火)~2014年09月17日 (水)

 

北アルプス 立山三山
入山日: 2010年09月14日 (火)~2010年09月15日 (水)

 

 

■雄山登頂ルート

立山~青空と雷鳥に逢いに
入山日: 2015年08月24日 (月)

 

 

■剱岳登頂ルート

憧れ!剱岳
入山日: 2015年08月24日 (月)~2015年08月25日 (火)

 

紅葉真っ盛り 立山・剱岳
入山日: 2014年09月29日 (月)~2014年09月30日 (火)

この記事を書いたのは「好日山荘マガジン 編集部」

好日山荘マガジン 編集部

登山・クライミング・キャンプのプロ、好日山荘スタッフによる編集部。あなたのアウトドアライフを応援します!