#ちょい旅 玄武洞と城崎温泉のフットパスを歩く

玄武洞

今回のちょい旅。最初に向かった先は兵庫県北部豊岡市にある『玄武洞』。国の天然記念物にも指定されている山陰海岸ジオパークの景勝地のひとつ。とにかくダイナミックさに圧倒されます!

160万年前の火山の噴火による溶岩が冷える時にできる割れ目模様「柱状節理」が美しくて見惚れました。上からも下からも斜めからもいろんな岩石が動いているように見えます。割れ目が途中になっているものもあり冷え固まるスピードが違うからかな、と想像していました。大地のなりたちを感じることが出来ます。細かいところが肉眼では見にくいのでカメラで近づいてみると・・・上のほうでは横方向に細かったり、つながっていたり、同じ厚みの板状になっていたりしています。玄武洞は「玄武洞公園」のなかにあり、5つの洞をウォーキングしながら園内を鑑賞します。歩いていても玄武岩がすぐそこに。柵が無いところでは手で触れることが出来ます。こちらは青龍洞。水に映る姿がとても美しいです。洞の高さは33m、幅40mで石柱は中央に向かって傾斜して、15mに及ぶものもあるそうです。龍が昇る姿に似ていることからつけられた名前。

白虎洞へは玄武岩が使われている階段をいくつか昇ります。もちろん積み上がっているのもすべて玄武岩。玄武岩の階段を登り切ると、白虎洞。柱状節理が横方向に並んでいます。

南朱雀洞。小さい洞ですが、放射状の節理が一か所に集まっているようすが観察できます。南朱雀洞の入り口の手前の部分には、もこっとした溶岩の先端部分を見ることが出来ます。北朱雀洞。最北端に位置し、羽根を広げた朱雀に似ています。
5つしっかり鑑賞したら、1時間ほど超えていました。もっと知りたくなったな、と思ったら玄武洞からすぐのところのビジターセンターへ立ち寄ることをおすすめします。玄武洞、山陰海岸ジオパークに関する情報がパネルで紹介され、面白い発見もあります。依頼すればガイドツアーも行っていただけるとのこと。要チェックです。使いやすい形から、川の護岸、石積み、家では漬物石にも使われたとか。玄さん大活躍ですね。

玄武洞:160万年前の噴火による玄武岩の大露頭。溶岩が冷える時にできる割れ目模様「柱状節理」が美しい。他に青龍洞、白虎洞、北朱雀洞、南朱雀洞がある。松山基範博士により地磁気逆転の発見につながる研究が行われ南を向く磁性が世界で最初に発見された場所としても有名。国際的に重要なジオサイト。

山陰海岸ジオパーク:気になる方はこちら→https://sanin-geo.jp/

玄武岩の玄さん:豊岡市のマスコット。豊岡市観光と山陰海岸ジオパークのPRがお仕事。

玄武洞ミュージアム

とにかくすごいスケールの玄武洞の実物をみたあとは、2018年リニューアルオープンしたミュージアムへ。外観は玄武岩みたいな六角形のカタチをしている建物がいくつか繋がっています。念願叶ってついに来館出来ました。

1Fは、玄武洞や地元の地質に関する情報がいっぱい!難しいことは抜きにしても見どころが多い!玄武岩の六角柱大きいです!玄武岩をカットしたら中は黒い岩!

明治時代の玄武洞の写真2階は世界の恐竜や化石や鉱石などが多く展示され地球のことを驚き学ぶことができる、まさに石の博物館です。上から覗き込むと1階にギュッとおさめられていたマンモス全体像が見えました。実際にこのサイズで生きていたかと思うと・・・人間なんてひとたまりもありません!

テキスタイル?絵皿?と思えるほどのきれいなえびと、世界に数えるほどしかない始祖鳥の化石のレプリカ。葉っぱの化石、とてもきれいな形で残っています。イチョウが恐竜時代からの生物だと、はじめて知りました。誕生石が!いくら位するんだろう?光る石!?

豊岡杞柳細工

兵庫県豊岡の伝統的工芸品「豊岡杞柳細工(きりゅうざいく)」の歴史が知れる展示が1Fでされています。こちらで制作体験が出来ると知り、とても楽しみにしていました。今回はモチーフコースター編みを体験。

あらかじめ中心だけが編まれている籐(とう)を折れないようにぬるま湯につけ柔らかくし、編み始めます。上下に編んでいくだけなのですが、均等な仕上がりになるように様子をみながら進みます。最後はスタッフの方に教えてもらいながら端をきれいにおさめて出来上りです。

モチーフコースター編み体験は約15分ほど。予約も不要なので来訪の際に気軽に体験してみるのもおすすめです。(費用:600円)次回はかご編み体験に挑戦したいです。

GENBUDO CAFE

玄武洞ミュージアムで楽しんだあとは、隣接する「GENBUDOU CAFE」へ。朝早く出発したので、すっかりおなかが減りました。ここならではのメニューが色々あり、その中のモーニングメニューから、八鹿豚のモーニングホットドッグセットと特製手づくり玄武洞カステラ2種盛りプレートを注文!しっかりしたソーセージがおいしい!ぺろりと平らげました(笑)

カフェからは、円山川を眺めることができ、この日も多くの鳥が飛来していました。もしかして?コウノトリかも?と思うような白くて大きな鳥が飛んできてソワソワしていたらカフェのスタッフが来てくださって、「あれはシロサギですよ、コウノトリはくちばし、羽の端が黒いんです、昨日も来ていましたよ♪」と教えてくださいました。運が良ければコウノトリに出会うこともできるかもしれません。対岸にはJR玄武洞駅があり、予約すれば渡し船を使って訪れることが出来ます。この日も何名かお見かけしました。

 

城崎温泉をフットパスで歩く

「フットパス」とは、自然や古い町並みなど地域に昔からある風景を楽しみながら歩くことが出来る道のこと。城崎温泉駅を起点としたルートをアレンジし、城崎温泉街~温泉寺~大師山登山~ロープウェイで下山するルートを歩いてみることにしました。

城崎温泉駅 JR玄武洞駅のお隣の駅城崎温泉駅をスタート。城崎温泉のある豊岡市は、コウノトリが生息することでも知られています。駅前にはコウノトリと玄武洞のコラボを発見。

駅横の「さとの湯」の上もにコウノトリ発見!旅の基本!まずは観光拠点「SOZORO」をチェック。休憩所も兼ねており、お土産物があったり、地図がいただけたりします。レンタサイクルもあります。駅からのまっすぐな道にお土産やさんなどお店が並ぶ「駅通り」。この日は定休日であいている店舗は少な目。お魚のとびらがデザインされたとびらが気になりました。つきあたると、「地蔵湯」が。いよいよ城崎温泉らしい通りに到着。窓のカタチは玄武岩!?いよいよ城崎温泉らしい通りに到着です。大谿川(おおたにがわ)に架かる橋とヤナギで、城崎に来たなぁと感じます。

温泉寺までの道のりには「御所の湯」玄武岩が使われたお宿の塀を通り過ぎ、「温泉寺」へ向かいます。

温泉寺

城崎温泉守護の寺未代山(マツダイサン)「温泉寺」

薬師堂

「薬師の湯」の飲泉場がありました。触れてみたらあたたかいですが、ずっと触れていると熱くなりますので要注意。

大師山登山

薬師堂の横の大師山への登り口は最初から心折れそうな階段。でも少し登ると、かわいいお花がお迎えしてくれました。約500段ある階段を登るのはつらいな、と思っていましたが、色々な発見で進ませてくれます。

500段を登り切り、温泉寺につきました。鐘楼や多宝塔がありました。

ここから大師山山頂のロープウェイ駅までは山道を30分ほど歩きます。ロープウェイのゴンドラを見上げながら進みます。見えている駅は温泉寺駅。その後はロープウェイの塔の下をくぐって、山の中を歩き続けると頂上に到着。

さっそく山頂で一番高いロープ―ウェイ駅の上へ登ってみました。すると・・・さきほど歩いた城崎温泉の町並みが一望!登った甲斐がありました。

この駅舎には名の通り展望の良い「みはらしテラスカフェ」がありますが、閉店時間を過ぎたばかりで入れず。またの機会に! 

城崎温泉ロープウェイで下山

富山県の水力発電黒部第四ダムの建設を指揮した太田垣士郎氏の発案で、その技術を持ち込んで工事を着工し、1963年に開通したロープウェイ。駅舎は登録有形文化財に登録されています。さきほど登るときにくぐった塔も通り過ぎ、温泉寺駅に到着時の景色。温泉寺駅はとてもコンパクト。ロープウェイからも温泉寺が見えます。この日はロープウェイの点検日。乗車したゴンドラの上には山頂駅から一番下の城崎温泉駅まで整備の方が乗られていました。点検おつかれさまです!

お土産選びに迷っていると城崎温泉駅の窓口のスタッフの方がやさしくお声かけくださって決めることが出来ました。街に若い観光客が多いのが不思議だったので聞いてみると訪れた時期の城崎温泉の平日は卒業旅行の大学生に人気でにぎわうんですよ、と。

薬師源泉

ロープウェイ駅のほど近くに源泉がモクモクと湯気をあげていました。もちろんそばには温泉卵体験が出来るお店が!さっそくやってみることにしました。 網に入った生卵を源泉にぶら下げて11分。エッグカッターで殻を割ります。なかなかうまくいかず、3個目でやっと成功!つるっと美味しくいただきました。

木屋町通り

帰り道は、風情ある静かな木屋町通りを桜を愛でながら歩きます。

木屋町通りにある「木屋町小路」落ち着いた雰囲気のお店が多く、城崎ならではのお土産をゆっくり選べそうです。

夕暮れになってきた駅までの帰り道。玄武岩で護岸された大谿川沿いも灯りがともり温泉街の雰囲気。

今回のちょい旅も一日時間をフル活用しました。しっかり歩いて登山したあとは、ゆっくりと温泉につかりたいところでしたが、お泊まりは次の機会に。また来たいです!

■旅の思い出いろいろ
おみやげ

「玄武洞ミュージアム」では、地域の特産品、豊岡杞柳細工、色んな鉱物なども購入が出来ます。豊岡市のマスコットの玄武洞の玄さんの焼きもちもあります!地元の方がたくさん抱えて購入されていた名前が面白い「ぺらぺらうどん」

「城崎温泉ロープウェイ」駅では城崎でしか購入できない文学とのコラボしたしかもデザインも素敵なお土産があります。今回選んだのは、かわいいイラストが表紙についたKOKUYO「野帳」の白バーション。飲むビネガーショップ「城崎ビネガー」。兵庫県下では使ったこともある人も多い超便利な調味料「べんりで酢」の株式会社トキワさんのショップ。湯上りはもちろん、ウォーキング、登山のあとのリフレッシュに最適なドリンクスタンドもあります。玄武洞と読み方が一緒のおかきのブランド「げんぶ堂」。特に関係はないとのことですが、行ったからには寄らない訳にはいきません。以前からチェックしていた「あられのカタチのチョコ」を試食させていただき、あられにしみ込んだチョコ、好みでした。ウインドウの大きな白いものが気になって近づいてみると・・・コウノトリのダルマ オケノトリ。「お宿とお土産 こぢんまり」には、他のお店には並んでいないようなこの土地ならではのものが揃っています。豊岡市日高にある「キノシタ」のクッキーは必買!城崎温泉のなかで一番ちいさなお宿らしく、一度泊まってみたい。お魚の加工品が買えるお店「香住お魚処 ととま」。車で玄武洞から15分訪れた際はランチはお休みしておりましたが土日はお弁当が購入可能だそう。今回はへしこと迷った挙げ句、みりん干しを選びました。後日いただいたら脂がのって美味でした!いつかランチを食べてみたい。

玄武洞と城崎温泉で出会った気になったものあれこれ

また来たい!わたしの今度豊岡・城崎温泉に来る理由

●お菓子めぐり ●舞台芸術鑑賞 ●麦わら細工をつくってみたい ●温泉に入りたい! ●かにを食べたい! ●1泊で良いから泊まりたい!

今回のお立ち寄りところまとめ

・玄武洞ミュージアム https://genbudo-museum.jp/

・城崎温泉ロープウェイ  https://kinosaki-ropeway.jp/

・げんぶ堂  https://shop.genbudo.co.jp/

・城崎ビネガー  https://a-aji.jp/store/

・お宿とお土産 こじんまり  http://www.kojinmari.com/

・香住お魚処 ととま  http://www.totoma.jp/

・玄武洞公園  https://kinosaki-spa.gr.jp/facility/genbudou/

・たじまフットパス  https://tajima-tabi.net/footpath

■旅のお供

日中の紫外線対策に帽子は欠かせません。今回の旅では公園内、登山中は日陰で歩くことが多かったですがこれからの季節必須アイテムです。

 

玄武洞では玄さんとの記念撮影も忘れずに!

文&編集●関本 亜紀

写真●加藤 智二、関本 亜紀

この記事を書いたのは「好日山荘マガジン 編集部」

好日山荘マガジン 編集部

登山・クライミング・キャンプのプロ、好日山荘スタッフによる編集部。あなたのアウトドアライフを応援します!