【富士山講座 第1回】一生に一度はやっぱり登りたい!日本一の富士山へ! ~第1回 富士山を知る~

世界に誇る日本の名峰「富士山」
一生に一度、いや今年こそ登ってみたい・・・実はそんな方、多いのです。
富士山へチャレンジする方へ。
好日山荘が皆さんを強力にバックアップします!

【第1回 富士山を知る】
・富士山ってどんな山なの?
・富士山に登れるシーズンは?
・富士山の気温 寒いの?
・富士山の気圧と空気の薄さと高山病リスク
・富士山の登山道と地質

・一生に一度はやっぱり登りたい!日本一の富士山へ! ~第1回 富士山を知る~ まとめ

富士山ってどんな山なの?

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「ふ~じはニッポンいちの山~♪」の歌の通り日本最高峰3776m(剣ヶ峰)の山です。
静岡県と山梨県に跨る山で、知らない方もいらっしゃるかもしれませんが「活火山」です。
その均整のとれた優美で見事な風貌は日本だけでなく、海外にも広く知れ渡っています。

古くから数多くの芸術作品の題材とされ、
日本各地に「富士見」(富士山が見えるところ、という意味)という地名が残っていたり、
富士山に似た形の地形を「○○富士」と名付けたり、
日本人の心に根付いた象徴と憧憬の山です。

2013年には、関連する文化財などと一緒に「富士山 信仰の対象と芸術の源泉」の名で世界文化遺産にも登録されています。
日本百名山、特別名勝史跡にも選定されています。

富士山に登れるシーズンは?

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富士山の登山シーズンは、一般的に7月頭から9月第1週頃まで
シーズン開始の早い時期は雪が残っていることもあります。
逆に9月に入ると気温が低下し、平地よりもはるかに早く秋冬をむかえます。
例年9月末頃になると初冠雪を迎えます。
その頃には冬山経験者やエキスパートの方以外での入山は不可能でしょう。

山小屋や救護所の営業も8月末頃に終了するところもあります。
最近は9月10日頃まで営業している小屋も増えましたが、
9月以降はもしもの際に逃げ込める場所が少ない、と考えておいた方が良いでしょう。

富士山の気温 寒いの?

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富士山は標高3776mの高峰であり、周囲に匹敵する高い山がない独立峰です。
南の太平洋から流れ込む風と北の山地からの風がぶつかり合い、
標高の高い地点では風が渦を巻くように吹き荒れています。

メインシーズンの7~8月は、

・地表(0m)が30℃の夏日でも、
・五合目(約2300m)では約15℃
・頂上(約3700m)では約6℃
にまで低下します。
※標高が100m毎におおよそ0.65℃気温が低下するものとして計算

それに加えて風が吹くため、体感温度はさらに下がります。
(風速1m毎に体感温度は1℃低下すると言われています)

ご来光待ちの夜明け前では気温は一桁台や0℃以下になる場合もあります。
地表と頂上では20℃以上の温度差があります。
防寒対策は特にしっかりしてください。
頂上では風を避けられないことも多く、低体温症に陥る危険性もあります。

また、気温以外でも、雲、雨、雷などの気象変化もあり、特に注意が必要です。
実際に登る一週間程度前から天気予報をチェックしましょう。

▼気象庁
http://www.jma.go.jp/jma/index.html

▼現在の富士山頂の気温・湿度・気圧(気象庁)
http://www.jma.go.jp/jp/amedas_h/today-50066.html?areaCode=000&groupCode=34

▼富士山の天気予報(ふもと富士宮市の天気予報 日本気象協会)
http://www.tenki.jp/mountain/famous100/5/25/150.html

富士山の気圧と空気の薄さと高山病リスク

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皆さんもテレビなどで見たことはありますでしょうか?
街中から持ち込んだポテトチップスの袋が高い山でパンパンに膨れ上がってしまった姿や
山頂から持って降りたペットボトルがひしゃげた姿など。
これは地表と高い山の気圧の差によるものです。

【地表と富士山頂の気圧】
地表の気圧:1気圧(約1010hPa)
富士山頂の気圧:約0.65気圧(約650hPa)

富士山頂では気圧が約3分の2に低下します。
空気の密度が約3分の2に低下するので、いつもの調子で吸い込める空気の量も約3分の2に減ります。
(※空気量に対する酸素含有率は地表と変わりません)
酸素を吸い込む量が減り、富士山では地表と同じようには行動できません。

また、薄い空気の環境にすぐには体が慣れない為、
地表と同じように行動するとあっという間に息が上がってしまいます。
また、血中酸素不足などにより、高山病などを発症する恐れがあります。

高山病の症状としては、以下の例があります。

【高山病の症状】
・頭痛、めまい
・吐き気
・疲労感、脱力感
・むくみ
・食欲の減退、睡眠障害 など

富士山山頂に近づくにつれ高山病を発症する確率が高くなります。
頂上手前の登りでは、数多くの方が高山病を発症し登山道の端に倒れています。

高山病を防ぐには、

【富士山の高山病対策】
・前日はしっかり休んで体調・体力を万全にする
・前日はお酒などのアルコールを摂取しない
・当日、5合目などで1~2時間以上、体を動かさないようにして薄い空気に体を慣らす
・急いで登らず、ゆっくりとしたペースで登る
・休憩所ではなるべく休憩する
・酸素缶などを携行し、頭痛などが出た場合には随時酸素を吸引する

※登山ツアーなどで「夜行バス+日帰り弾丸ツアー」などもありますが、高山病の発症リスクが最も高い状態と言えます。

富士山の登山道と地質

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富士山は古代から火山の度重なる噴火によって形作られた山(成層火山)です。
なので、火山灰と噴石、マグマが冷えて固まったものによってできています。

全体的に火山灰の砂や岩の塊の岩場の登山道が多いです。
整備され階段や坂道が作られていますが、
それ以外の場所は崩れやすい石や岩の斜面、さらさらの火山灰などのエリアです。
ですので、登山道から外れたりすると事故が起きたり、岩を落として下を歩いている人に怪我をさせてしまう場合があります。
登山道からは外れないようにしてください

富士山は登り、下りのルートが決まっているところがあります。
逆走すると思わぬ事故の元になります。
道順を必ず守るようにしてください

他にも、多数の人が登り下りをするので、火山灰が舞い上がります。
火山灰が靴の中に入ってしまったり、吸い込んだりすることがあります。
マスクやスパッツの装着など、火山灰対策も必須と言えます。

一生に一度はやっぱり登りたい!日本一の富士山へ! ~第1回 富士山を知る~ まとめ

今回は富士山はどんなところ?ということでご説明いたしました。

・富士山に登るのは、7月から9月第1週まで。8月までに登るのが理想。
・真夏でも山の上は真冬の気温。温度調節ができるようにする。
・風はどこにいても吹きつける。複雑に吹き荒れる。
・天候の変化に注意。天気予報をチェックしよう。
・高山病を発症しやすいので、体調管理、準備や対策をする。
・登山道から外れない、道順を守る。火山灰対策をする。

これらのことをよく覚えておいていただき、安全に登頂を目指しましょう!

この記事を書いたのは「好日山荘マガジン 編集部」

好日山荘マガジン 編集部

登山・クライミング・キャンプのプロ、好日山荘スタッフによる編集部。あなたのアウトドアライフを応援します!