【北アルプス 表銀座(槍ヶ岳・燕岳・大天井岳)】 今年の夏は北アルプスデビュー!

夢の3000m級の稜線を歩いて槍ヶ岳へ!
北アルプスでも大人気の燕岳から槍ヶ岳を目指す。
このルートは北アルプス表銀座と呼ばれ、多くの登山者に愛される縦走ルートです!

憧れの北アルプス 表銀座から槍ヶ岳へ!
今年の夏は北アルプスデビューしてみませんか?
 

表銀座(槍ヶ岳方面)ってどんなところ?
表銀座(槍ヶ岳方面)縦走ルートのご紹介
表銀座(槍ヶ岳方面)以外のルートのご紹介
     ・表銀座(常念岳・蝶ヶ岳方面 パノラマ銀座)縦走ルート
表銀座(燕岳麓 中房温泉)へのアクセス
表銀座周辺のたのしみ
参考になる登山レポート
     ・表銀座(槍ヶ岳方面)縦走ルート
     ・表銀座(常念岳・蝶ヶ岳方面)縦走ルート

 

表銀座(槍ヶ岳方面)ってどんなところ?


一般的に、日本登山界で「表銀座」と言うと、「燕岳・大天井岳・槍ヶ岳」を結ぶルートになります。
(最近では、「燕岳・大天井岳・常念岳・蝶ヶ岳」を結ぶルートも表銀座と呼ばれます)

槍ヶ岳と言えば、北アルプスの中でも人気の高い山の一つ。
長野県と岐阜県に跨る標高3180mの高峰です。
空に槍を突き立てるかの如く鋭い三角の岩峰が特徴。
北アルプスや周辺の山々から見ても目立つ形状で、山座同定がしやすい山です。
富士山が「日本人が一生に一度登りたい山」だとすれば、槍ヶ岳は「登山者が憧れる一度行ってみたい山」でしょうか。
 

また、ルートの反対側の燕岳も北アルプスでは大人気の山です。
「北アルプスの女王」とも呼ばれる美しい山容、登りやすく整備された「合戦尾根」、綺麗に維持されサービスの行き届いた人気の山小屋「燕山荘」、北アルプスをぐるりと眺められる素晴らしいマウンテンビュー。
いくつもの人気の点が集まった良い山です。
 

槍ヶ岳、燕岳の中間にある大天井岳は、2つの表銀座の分岐点の山です。
西へ行けば槍ヶ岳。南へ行けば常念岳・蝶ヶ岳。
ルートの中心に位置するため、それぞれの山の景色を一番眺めやすいと言えます。

 

表銀座(槍ヶ岳方面)縦走ルートのご紹介

<1日目>
中房温泉→(180分)→合戦小屋→(65分)→燕山荘→(30分)→燕岳→(25分)→燕山荘
 
<2日目>
燕山荘→(55分)→大下りの頭→(75分)→切通岩→(45分)→大天荘→(10分)→大天井岳→(5分)→大天荘→(40分)→
大天井ヒュッテ→(160分)→ヒュッテ西岳
 
<3日目>
ヒュッテ西岳→(60分)→水俣乗越→(120分)→ヒュッテ大槍→(40分)→槍ヶ岳山荘→(30分)→
槍ヶ岳→(30分)→槍ヶ岳山荘
 
<4日目>
槍ヶ岳山荘→(100分)→天狗原分岐→(55分)→ババ平→(20分)→
槍沢ロッヂ→(80分)→横尾→(70分)→徳沢→(60分)→明神→(50分)→河童橋(上高地)
 
※体力と脚力、天候次第では、1日目に大天荘か、大天井ヒュッテあたりまで行くことも可能です。
 その場合、2日目に槍ヶ岳頂上山荘まで到達して、2泊3日の行程にもできます。

 
中房温泉より急登の合戦尾根を登り、夏はスイカで有名な合戦小屋を通る。
やがて稜線に出ると視界も開け、燕岳と燕山荘が見えてきます。
燕山荘に到着し、そこからほとんどアップダウンもなく快適な天空稜線歩きで燕岳到着です。
多くの方が燕山荘で一泊し、翌日から大天井岳を目指します。
大下りの頭まではほぼ稜線歩きです。
途中「蛙岩」と呼ばれる穴の開いた岩の穴を通る箇所もあります。
大天井岳直下は急な斜面と、大天荘へ基部をトラバースしていき、大天荘経由で大天井岳へ至ります。
そこからいよいよ東鎌尾根へと入っていきます。
正面常に槍ヶ岳が鎮座しているので、期待に胸が膨らむことでしょう。
いくつかのハシゴや岩場などを越え、槍ヶ岳山荘、槍ヶ岳へ登頂します。
槍ヶ岳は急な岩場とハシゴが連続し、もともと大人気なこともありハイシーズンは高確率で渋滞します。
流れ待ちの最中はしっかりと岩を掴み、安定したところで待ってください。
また不用意に石を落とすと事故につながりますので、絶対に落とさないよう注意してください。
槍ヶ岳からの下山については、横尾経由の上高地か、飛騨沢経由の新穂高温泉に分かれます。
 


中房温泉の登山者向け無料駐車場。
ハイシーズンは大変混みやすく、駐車場ご利用の方は夜明け前に到着するようにしておいた方が良いでしょう。

 

中房温泉登山口。
登山口すぐわきの小屋は日帰り温泉入浴ができます。

 

つづら折りの登山道を上がっていくと、やがて合戦小屋へ至ります。
途中、適度にベンチも用意されているので、ペースをつかみやすい。
森の登山道は夏場とても蒸し暑く、かなり水分を多めに持っておいた方が良いでしょう。

 

夏場はスイカ販売で有名ですね!

 

合戦小屋を少し上がると、燕山荘(左)と燕岳(右)が見えてきます。
ここまでくればもう小屋は目の前です。

 

燕山荘到着です。
掃除の行き届いた綺麗な小屋で、山小屋スタッフさんもすごく丁寧な人ばかりで気持ちがいい!
夏場はカフェテリア「喫茶サンルーム 」も開かれます。
燕山荘限定のお土産品も沢山!迷っちゃいますね!

筆者もお気に入りの小屋の一つです。
小屋泊もテント泊もしましたが、おすすめは小屋の2階のテラスからビール片手に燕岳を眺める事♪ヽ(*´∇`)ノ□
 

燕山荘
・標高 : 2,712m
・利用期間 : 2017年4月22日(土)〜11月25日(土)のご宿泊まで
 (年末年始 2017年12月23日(土)〜2018年1月8日(月)のご宿泊まで )
・収容人数 : 650人
・テント : 30張
・夏山診療所開設 : 2017年7月16(日)~8月20(日)(順天堂大学医学部山岳部)
燕山荘ホームページ http://www.enzanso.co.jp/enzanso/index.html

 

燕岳までは片道30分程度の稜線歩きです。
小屋やテントに荷物を置いて、さっとピークを往復してきましょう。

 

燕山荘から大天井岳方面へ。
大下りの頭まではほぼ水平の道が続いています。
 

燕山荘から大天井岳への途中にある大岩の「蛙岩」
大岩の真ん中に穴が開いていてそこを通り抜けます。

 

大天井岳直下。
階段や岩場が続きます。
ピークには直接登らず、ピークを巻くようにつけられた左右のトラバース道が夏道です。
(厳冬期、残雪期はピークへ直登します)

 

大天荘のテント場。目の前に槍ヶ岳が見えます。

大天荘
・標高 : 2,870m
・利用期間 : 2017年7月1日(土)~11月4日(土)のご宿泊まで
・収容人数 : 200人
・テント : 50張
大天荘ホームページ http://www.enzanso.co.jp/daitenso/index.html

 

大天荘ヒュッテ
・標高 : 2,650m
・利用期間 : 2017年7月1日(土)~10月14日(土)
・収容人数 : 100人
・テント : 無し
・売店 : お菓子、おつまみ、飲み物、お土産等
大天荘ヒュッテホームページ http://www.yarigatake.co.jp/otenjo/

 

大天井岳付近からは、槍ヶ岳北鎌尾根の眺望が素晴らしい。
稀代の登山家 加藤文太郎が最後を迎えた場所として思いを馳せる登山者も多いでしょう。

 

大天井岳から西岳、そして槍ヶ岳へ。
東鎌尾根を行きます。
東鎌尾根はアップダウン、急なハシゴ、鎖場、岩場が続きます。
悪天候時は危険です。場合によっては引き返すこともよいでしょう。

ヒュッテ西岳
・標高 : 2,680m
・利用期間 : 7月上旬~10月上旬まで
・収容人数 : 70人
・テント : 30張
ヒュッテ西岳ホームページ http://www.nakabusa.com/lodge/lodge.html

ヒュッテ大槍
・標高 : 2,884m
・利用期間 : 2017年7月1日(土)~10月9日(月)のご宿泊まで
・収容人数 : 96人
・テント : なし
ヒュッテ大槍ホームページ http://www.enzanso.co.jp/ooyari/

殺生ヒュッテ
・利用期間 : 6月中旬~10月中旬まで(雪の状況により変更となります)
・収容人数 : 100人
殺生ヒュッテホームページ http://www.nakabusa.com/lodge/lodge.html

 

東鎌尾根を登り切って、いよいよラストの槍ヶ岳へ!
岩の上を一歩一歩しっかりと気を付けて歩いてください。

 

槍ヶ岳山荘
・標高 : 2,650m
・利用期間 : 2017年4月27日(木)~11月4日(土)
・収容人数 : 650名
・テント : 39張
・売店 : お菓子、おつまみ、飲み物、お土産等
・診療施設 : 東京慈恵会医科大学山岳診療所
槍ヶ岳山荘ホームページ http://www.yarigatake.co.jp/yarigatake/

 

槍ヶ岳山荘を槍ヶ岳から見下ろす。
狭い槍ヶ岳の肩の稜線に張り付くように立っているのがよくわかりますね。

 

槍ヶ岳のテント場はこんな感じで、崖っぷちに作られています。
テント場はすべて指定になっており、テントのサイズによって張れる場所が決まっています。
指定地が全部埋まってしまうとテントを張ることができません。

筆者の張ったテントは写真の中央やや上、一番奥の崖っぷちのところの緑のテントです。
目の前は崖っぷちで遮るものがなく、テントのドアを開けるだけで絶景でした。(人´ω`*)♡

 

槍ヶ岳山荘の前から登りはじめ、槍ヶ岳へ。
岩場とハシゴの急斜面です。
ハイシーズンでは渋滞しやすく、登り待ち中では岩をしっかりつかみ、安全なところで待機するようにしてください。
また、落石にもご注意ください。

 

槍ヶ岳登頂!
そして北アルプス表銀座ルート制覇です!
360度遮るもののない槍ヶ岳ピークからの景色は素晴らしい!
北アルプス主要の山はほぼすべて見えますよ!
 

槍ヶ岳からの下山(横尾方面)
後ろを振り返り、槍を見上げるとここまで長いルートを通ってきた記憶が蘇ってくることでしょう。
北アルプス表銀座は素晴らしいルートです!

 

表銀座(槍ヶ岳方面)以外のルートのご紹介

■表銀座(常念岳・蝶ヶ岳方面 パノラマ銀座)縦走ルート

大天荘→(60分)→東天井岳付近→(60分)→横通岳付近→(20分)→常念小屋→(80分)→常念岳→(210分)→
蝶槍→(10分)→横尾分岐→(20分)→蝶ヶ岳ヒュッテ・蝶ヶ岳→(45分)→長塀山→(150分)→徳沢

 

常念小屋は常念岳の手前のコルに立っています。
入口ちょっと低くなっています。
GWあたりですと、入口前に雪のトンネルが掘られ、出入りできるようになっています。

 

常念岳は雄大な形をしていますね。
常念小屋側からの登りは、見た目の距離以上に時間がかかる印象ですね。

 

常念岳の頂上を越え、蝶ヶ岳側は岩のゴロゴロした急な下りです。
常念岳への登りで力を使い果たしてしまうと、ここで事故の元になります。
常念岳頂上で十分休息を取ってくださいね。

 

大天井岳から蝶ヶ岳の間は、大きなアップダウンも少しあるものの、
全体的に歩きやすく危険個所もありません。

 

蝶ヶ岳付近はお花の宝庫でもあります。
花畑と穂高の稜線。素晴らしい組み合わせです!

 

蝶ヶ岳山頂からは槍ヶ岳から全ての穂高の稜線を一望することができます。
素晴らしい峰々、燕岳からの旅の記憶をより鮮明にさせてくれることでしょう。

 

蝶ヶ岳ヒュッテ
・標高 : 2,677m(蝶ヶ岳山頂すぐ近く)
・利用期間 : 2017年4月25日(火)〜11月4日(土)のご宿泊まで
・小屋泊 : 一泊二食付き 9,500円/素泊まり 6,500円(個室あり 宿泊料+15,000円)
・部屋の設備 : 消灯まで携帯電話等の充電が可能なコンセントあり
・テント場 : あり(1人1泊700円)
・売店 : お食事、飲み物、お土産など
蝶ヶ岳ヒュッテホームページ http://www.inett.or.jp/mt-chou/hutte.html

 

表銀座(燕岳麓 中房温泉)へのアクセス

■交通機関を利用する

JR大糸線 穂高駅下車、中房温泉行バスにお乗換えいただき、終点の中房温泉までお乗りください。
詳しくは、中房温泉行定期バス http://www.nan-an.co.jp/modules/bus/nakafusa/をご覧ください。

 

■お車を利用する

長野自動車道 安曇野ICを降り、県道57号線から国道147号線(千国街道)を北上。
北穂高交差点を左折し、県道25号線、327号線を北西へ。
道なりに山道を進んでいくとやがて中房温泉に到着します。
 
【駐車場について】
中房温泉の駐車場は、中房温泉手前に第1から3までの約120台分の無料駐車場があります。
ハイシーズンはとても混雑していますので、駐車場ご利用の場合は夜明け前には到着した方が良いでしょう。
山岳道路で狭いため、路上駐車は事故の原因となります。絶対にしないでください。
また、第一駐車場から上は私有地のため路上駐車は一切できません。

 

表銀座周辺のたのしみ

■名湯 中房温泉

登山口である中房温泉は、源泉かけ流し100%の天然温泉です。
804年、時の征夷大将軍坂上田村麻呂がこの地に立ち寄り、傷ついた兵士を湯で治したとの伝説が伝わっています。
燕岳往復や表銀座を南から北へ向かうルートでも、下山口の中房温泉で旅の疲れと汚れを落としていきましょう。
詳しくは、中房温泉 http://www.nakabusa.com/をご覧ください。

 

■安曇野ちひろ美術館

生涯子どもをテーマとして描き続けた画家いわさきちひろの美術館です。
幼少期に戦争を経験し、子どもの幸せと平和を願い続け作品を作り続けた氏の業績を記念し、
作品を収集、保管、展示を行っています。
詳しくは、安曇野ちひろ美術館 http://www.chihiro.jp/azumino/をご覧ください。

 

参考になる登山レポート

■表銀座(槍ヶ岳方面)縦走ルート

快晴の表銀座
入山日: 2015年09月27日 (日)~2015年09月30日 (水)

 

北アルプス 表銀座縦走 中房温泉・燕岳・槍ヶ岳・新穂高
入山日: 2014年09月07日 (日)~2014年09月09日 (火)

 

■表銀座(常念岳・蝶ヶ岳方面)縦走ルート

燕岳~蝶ヶ岳縦走
入山日: 2011年08月30日 (火)~2011年09月02日 (金)

この記事を書いたのは「好日山荘マガジン 編集部」

好日山荘マガジン 編集部

登山・クライミング・キャンプのプロ、好日山荘スタッフによる編集部。あなたのアウトドアライフを応援します!