初登りにおすすめ。好日山荘100名山 愛宕山

年の始めのためしとて

暦の上では一年のスタートとなる、一月。気持ちも新たに、全ての物事に対してその年における「初」をつけて行動する時です。

登山に於いても、この1月の最初の登山に「初登り」や「登り初め」と冠して、特別な山行として位置づけされる方も多いと思います。

今回は長い1年の中でも「特別な登山」と捉えられる感のある初登りに、登りやすくて楽しい「好日山荘100名山」をおススメします、という内容でお届けです。

新年に相応しい

日本には山岳信仰や自然信仰、修験道など多くの方がどこかで耳や目にした事があるワードがあります。古来より山と神様や寺社仏閣は深くつながっている物として考えられており、全国各地で有名・無名を問わず、山中には多くの神社や祠などを見かけます。今回は神社が山頂にある山を、好日山荘100名山の中からチョイス。京都の愛宕山に登り、新年らしく山頂の愛宕神社を参拝。

初登りと初詣を兼ねたハイクです。

どんな山?

愛宕山は京都市の西部にあり、観光地嵐山の渡月橋からもその姿を見る事ができる標高924mの山。山頂にある愛宕神社は”火伏せの神様”として信仰されており、皆さんの地元にもあるかもしない全国の「愛宕神社」の本社となっています。

地元京都の方だけでなく、登山と愛宕さん参りに一年中全国から人がやってくる、広く愛されている山です。

さて、これを聞いてどんな印象でしょうか?

私が実際に登って感じた事は、単純に登山目的の方だけでなく参拝の為に登っている方も多い印象。

参拝の為に登っているのか?或いは登頂の結果として参拝しているのか?、分からないぐらいに登山道にも神社にも沢山の人が…。人気の山である事が垣間見えました。

メリハリのある登山道

清滝のバス停から登山口となる”二の鳥居”へ。そこから登山スタートです。(健脚な方は、一の鳥居→愛宕念仏寺→試峠そしてこの登山口、のルートもおすすめ。一の鳥居は愛宕神社までの五十丁の起点です。)

登山道は広く、参道として多くの方が通う道なので難しいような箇所は有りません。ただ、暫く歩いていてふと感じたのは、緩急がバランスよく付けられているような感覚に。ちょっと息が上がるような急な坂や足を大きく上げるような箇所が続くと、タイミングよく緩斜面や水平道になる、これによってテンポよく歩けます。「決して楽ではないけど、酷くキツくもない」といった印象。

年末年始、飲んで食べてダラダラして”緩んだ身体”には調度いい運動になります。

愛宕山の冬は気象条件次第でしっかりと雪が降り積もります(その昔、山頂周辺にスキー場があった程)。今回も五合目より上部あたりから登山道の両脇に融けきっていない雪が増えて行きます。登山道はしっかりと土が出ていますが、ところどころ融けた雪が再凍結しており、踏むとバリバリと音がする状態。

その後「水尾分かれ(清滝と水尾の分岐)」の手前から、愛宕神社までは軽アイゼンが必要に。多くの方が歩くので圧雪されて、所々かなりスリッピーな所も。

「アイゼンを付けようか外そうか」、と迷う事もないぐらいはっきりと「土・雪」が分かりやすい登山道。こんなところにもメリハリを感じました。(雪道のコンディションは日々刻々と変わります。一概には言えないので、参考程度に読み流してください…)

登山者フレンドリー

しばらく雪道歩行が続いた後に、門が見えたら愛宕神社に到着。ここから境内になりますが、社殿への最後の道は断続的に石段が続きます(これが結構きます…)。

社殿にはハイカーも使える休憩室があり、神社のありがたい心遣いを感じます。参拝で登るハイカーを手厚く労っていただける山で、沢山の方が日々登られている”証し”のように”参拝登山千回記念”なる石碑が境内にあり、強者は五千回(!)なんて方も居ます。もし365日毎日登っても13年以上…驚愕です。
(余談ですが、以前にこの好日山荘マガジンで京都トレイルを案内してくれた馬場さんも千回登山達成の健脚者でした。記事はこちらから)

お詣りをしたら、雪の中ですが境内をウロウロ。雪が織りなす風景を写真に収めて下山を開始です。(実際寒くて、動いていないと底冷えを感じました)

初登りで運試し?

愛宕神社からは月輪寺方面へと下ります。山頂直下には嵐山と桂川が一望できるスポットがあり、しばし眺望堪能。京都に来るといつも思うのが、これだけの都市なのに背の高い建物が目立たない、という事。高さ規制だけでなく、その歴史を守り育てるための景観条例や市街地景観条例の徹底ぶりと、府民の方々の努力に感心させられます。

話しを元にもどします、月輪寺方面の登山道は、狭く圧雪された九十九折のコース、まるでボブスレーのコース(!)ここですれ違った方はピッケル持参でしたが、それが大袈裟ではないぐらいの滑りやすい状況でした。まさに「転ばぬ先の杖」肝に銘じておきます。

月輪寺上部まではしっかり雪が付いていましたが、そこから下は泥濘との格闘。「雪の低山あるある」ですね。

月輪寺では冬期間は参拝などの受け入れはされていないので、雰囲気だけ味わいます。名物(?)の鹿には会えずでしたが、また境内の「時雨の桜」とセットで春にでも会いに来るとしましょう。

*月輪寺は、冬期間(12月1日から)通行できる時間が決まっており、早朝や夕方は通行不可となります。また積雪が多くなると通行不可となりますので、ご注意ください。お出かけ前に最新の情報をご確認ください)

シダの葉が多い茂り、沢の音が聞こえてきたら終了点である月輪寺ルートの登山口です。ここからは舗装路を清滝のバス停まで歩いて行くのですが、清滝~嵐山のバスは1時間に一本。これを逃すと前述した健脚者向けコースで「徒歩で駅まで」か「バス一時間待ち」か、に。「どちらも登山後にはキツいかも…」と思うとバスに間に合うか否か、新年早々の「運試し」。今年の正月はこの日の愛宕神社で「三社詣」となりましたが、おみくじはいずれでも引いていません。この”バス案件”がおみくじ代わり(?)です。

でも走ったりしません、安全第一。結果は・・・乗れました!!「これは中吉ぐらいか?」と思っていたら、バスで寝落ち・・・ずいぶん先のバス停で降りる羽目に。

結果「末吉」ぐらいとしておきます。

賑わう嵐山の中を、歩いて本来のバス停辺りまで戻る事に…。

初登りには、神社のある好日山荘100名山を

もう松の内は終わりですが、一年最初の初登りに神社と関連性のある一座を「好日山荘100名山」から選んでみませんか?

雪のある山、数時間で登って下りられる山、公共交通機関でアプローチしやすい山と、きっとあなたのニーズにあった山が見つかると思います。

お店のスタッフにも、初登りにおススメの山や初登りにどこに登ったかを聞いてみて下さい。きっと面白いエピソードを持っているはずです。

”好日山荘100名山と神社”の一例

■こちらも山頂に神社があります。「御岳山

■神社からスタート。「金時山

■神社をはしごできる播磨アルプス。「高御位山

スタッフによる、冬の愛宕山の模様はこちらから。

 

好日山荘マガジンライター:菰下 了

 

*取材は、感染症対策を行い密集を避けて行動しております。

この記事を書いたのは「好日山荘マガジン 編集部」

好日山荘マガジン 編集部

登山・クライミング・キャンプのプロ、好日山荘スタッフによる編集部。あなたのアウトドアライフを応援します!