雲海で有名な竹田城跡。でもそこには・・・。
兵庫県北部、但馬地域にある朝来市。ここには「天空の城」として有名な竹田城跡があります。
いつも兵庫県北部に向かう際、国道312号線上で車から眺めながら「いつか行こう」「そのうち行きたい」「どうせ行くなら雲海が見れる時に」などなど・・・自分がいつも向かう目的地のちょうど真ん中ぐらいにこの”メジャーな観光スポット”がある事から、モチベーションを上げきる事が出来ず、なんだかんだと言い訳をして訪問を後回しに(ウインカーを左に出し、ハンドルを切るだけなのに…)。
そして「今年こそは雲海に包まれた竹田城を」などとモチベーションだけ高く、具体的にプランを立てずにいたら、既に雲海シーズンも最終盤・・・。
このまま2020年も行かずに終わるかと思っていた矢先に訪れる機会が。しかも素晴らしい気象条件が見事に重なったのです。
それは訪れる前日・前々日とこの冬一発目の「寒波」にあたり、竹田城跡は白く雪が被った状態に。
ローカル線と徒歩で。
調べてみると、我家からは公共交通機関で何の不便もなくいける事に気付き、テレビ番組っぽく「ローカル線の旅」を堪能。そして登山道を使い、里山登山に行く気分で駅からの全行程を”歩き”で行く事に。
しかし、ちゃんと調べていたつもりが、現地で知らされた事実が・・・
それは冬期間は「駅裏登山道」と「表米神社登山道」は封鎖・・・。
この二つの登山道を使い、行き帰り異なる道の「ラウンドトリップ」を画策していたのに、いきなりの先制パンチ。(って個人的にピストンでの山歩きが苦手なだけなので、お気になさらず)
という訳で、冬期間の唯一のアプローチ「山城の郷」方面へと向かいました。
雪があれば舗装路もまた楽し。
アプローチはひたすら、舗装路を登って行きます。ひたすら登りなので、ぐんぐん体温が上がり汗もかきだしたのですが、この日は体感気温が低く、グローブ、ネックゲイターは装着したまま。
出発から着ていたゴアのジャケットも帰宅するまで、脱ぐことがないぐらい気温の上がらない一日でした。
城跡は真っ白。
駅から写真を撮ったりぶらぶら歩く事、約1時間弱。遂にお目当ての竹田城跡に到着。
地元のガイドの方曰く「今日はエエよ~。ほとんど人も来てないし」との事。早速入城すると、平日で寒い事もあってかお客さんはちらほら。
そして指定された場内の進路以外は一面真っ白の雪化粧。
初めての訪問で、こんなレアな竹田城を見れたのは、かなりラッキー・・・というのも、前出のガイドさんが「営業期間中でここまで積雪しているのは珍しいで。年に一回あるか無いかやで」とも。
「年に一回?ここの近辺は冬の間は降雪があるはずなのに・・・ん?営業期間?」とか、その時は思っていたのですが後日調べてみると、なんとこの竹田城跡は「冬期間は入場できない」のです!!!
なるほど、だからこその「エエよ~」であり「年に一回あるかないか」だったのかと合点がいきました。
冬場の楽しみ方・・・
またもや前出ガイドさんの受け売りなのですが、雪に覆われた城内だけでなく、その石垣に着雪するとまた見応えがある、との事。石垣に雪が付き全体が真っ白な遺構となれば、城外から遠景で眺めたほうが良さそう。
竹田城跡を遠景で楽しむのであれば、竹田城跡の向かいにある「立雲峡」(雲海の竹田城が眺められる所です)から「雪に覆われた竹田城跡」を眺めるのも、城跡に入場できない冬場の楽しみ方の一つかなと思います。
*立雲峡は駐車場から展望台までは山道となります。冬場はチェーンアイゼンなどの滑り止めや防寒アイテムは持って行って下さい。
雪を堪能した後は、名物をいただく。
城跡をたっぷり堪能したら、来た道を降りていきます。その途中に崖下へと落ちそうで「落ちない岩」があります。節妙なバランスをキープして落ちずに止まっています。その名前の由来にあやかって、受験生が合格祈願に訪れるそう。今の季節がら願掛けのお賽銭としてなのか、小銭が岩の隙間にビッシリ。私もこの冬に受験する身内のために勝手に祈願をしておきました。
さて、しっかり歩いて寒さで体も冷えてきたところで、入城スタート地点の「山城の郷」まで戻っててこちらのレストランで名物を頂く事に。
寒さと空腹でトーンダウンした私を満たしてくれたのは、数々のブランド牛のルーツである「但馬牛」のお肉と、日本三大ネギの「岩津ねぎ」という但馬地方の名産を使ったあったかいお蕎麦でした。甘辛く煮たお肉と、ねぎそのもの甘さが良く出ておりあっという間に平らげてしまいました。
御馳走様です。
この山城の郷のすぐ隣には観光案内所があり、ここでは興味深い展示物や無料で楽しめるトリックアートがあります。
「案内所」ではありますが、侮れません。帰る前によっておきたい所です。
なんだかんだと一日しっかり楽しんだ竹田城跡。「天空の城」として雲海に浮かぶシーンが最もメジャーですが、四季によって見どころや見え方が違ってくる、いつ行ってもその日その時間での素晴らしい風景や雰囲気が楽しめる場所である事を感じました。
少なくとも私個人としては、冬場には通れない二つの登山道を利用して再訪する事を心に思いながら、帰路についたのでした。
おまけ
登山道入り口には回り道の看板ありです。
お土産には岩津ねぎを。
道の駅や産直で購入可能です。道路脇で農家さんが無人販売してたりも。
本文中にもありますが、竹田城跡は冬期間(1月4日~2月末)は入場できません。
詳しくは竹田城跡のオフィシャルサイトをご確認ください。
今回訪れた「山城の郷」はこちらから。
好日山荘マガジンライター:菰下 了
この記事を書いたのは「好日山荘マガジン 編集部」
登山・クライミング・キャンプのプロ、好日山荘スタッフによる編集部。あなたのアウトドアライフを応援します!
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