連休での登山を楽しむ為に。~体を慣らす登山を楽しむ~

春になって登山に出かけましたか?

もうすぐゴールデンウィークを迎えるこの時期。「どこに行こうか?」と計画を立てる所からはじまり、装備を並べてパッキングとアンパッキングを繰り返したり、天気予報を見ながらウェアのレイヤリングを考えたり、効率の良い交通経路を調べたり・・・、「あーだ、こーだ」と悩ましくも楽しい時間を過ごしている方も多い今頃だと思われます。

「しかし」です。装備やウェアは買い足したり買い替えたりで済む場合も多いでしょうが、フィジカル面の準備は、一朝一夕ではままなりません。

「冬の間は登山に行く回数が減るよ」と言う方、寒さも和らぐ3月からこれまでの間に山を登りましたか? しっかり荷物を背負って長い時間歩きましたか?

自問自答して「あっ(汗)」と思われた皆さん、連休での登山を楽しくて安全なものとする為にも、今すぐから時間を見つけて、楽しいけど予行演習にもなる、そんな山に登って身体の準備をしっかりと行いましょう。

「どんな山がいい?」をスタッフに聞いてみた。

「連休での山行に向けて、足慣らしをお考えの方にこの時期お勧めするなら?」をスタッフにヒアリング。今回はYouTubeの「好日山荘チャンネル」でもお馴染み、気象予報士スタッフの石井にお勧めの山について執筆してもらいました。

”日帰りでも大満足!箱根外輪山縦走【金時山~明神ヶ岳】”

もうすぐ5月の大型連休。久しぶりにアルプスなどに出かける方もいるのではないでしょうか。でもその前に、まずは近場の山でしっかりと身体と道具を慣らしてから、5月の山に向かいましょう!

明神ヶ岳への登山道より。右側の山頂が金時山です。

今回ご紹介するのは箱根外輪山の一部である金時山(きんときやま)と明神ヶ岳(みょうじんがたけ)です。それぞれの山の標高は1,212mと1,169mとそこまで高くはないですが、この2つの山を縦走で歩くとコースタイムは6時間40分と歩き応えのあるコースとなります。

今回の登山のスタートは金時山のふもとの公時(きんとき)神社から。この公時神社は昔話”金太郎”のモデルとなった坂田公時を祀った神社として有名で、神社内には大きなマサカリが納められています。公時神社から金時山山頂まではひたすら登りで約2時間。危険な箇所はありませんが、急な登りが続くので呼吸や足の運びなどを確認しながら、ゆっくり登りましょう。最後の鎖場を通過すると、視界が開けて金時山山頂です。天気が良ければ、目の前に雄大な富士山の景色を楽しむことができます。

公時神社にある大きなマサカリ。

金時山で一息ついたら、次は明神ヶ岳を目指しましょう!明神ヶ岳への登山道は登ってきた道を途中まで戻り、さらに南へと進みます。登山道は整備されていて歩きやすいですが、細かなアップダウンが多いので意外と足にこたえます。会話ができるくらい余裕のある歩行ペースを意識しながら歩きましょう。

明神ヶ岳への登山道。ハコネダケの中を歩きます。

明神ヶ岳の山頂からは富士山や金時山、今まで歩いてきた登山道の眺望が広がります。
明神ヶ岳で身体を休めたら下山開始です。途中、湘南の海が見渡せる場所を通過して下っていくと、宮城野方面と明星ヶ岳への分岐が出てきます。

明神ヶ岳からの下山途中には湘南の海が見えます。

登山を満喫した方はそのまま宮城野方面へ、体力と時間に余裕のある方は明星ヶ岳のピークを目指して下山しても良いでしょう。下山後は、箱根の温泉で疲れを癒しつつ、5月の連休に向けた登山計画に思いを馳せてみてはいかがでしょうか。

確認しながら、楽しんで。

如何でしたでしょうか。ゴールデンウィークでの登山に向けたトレーニング、というには時間がないでしょうが、実際に山歩きをして今の自分の体力や技量を知っておく事によって、予めリスク管理(≒予防線を張る)が出来ると思います。

遠出や高所での登山で「出たとこ勝負」はご法度とも言えます。自分の体の”現在地”を知る事で計画立案から装備まで、段取りもしやすくなります。

是非、近所や近場の「少し長め」や「少しアップダウン多め」のコースを見つけて、週末にでも歩いてみて下さい。

 

今回、山をご紹介したスタッフ石井が出演する、YouTube”【公式】好日山荘チャンネル”では、登山に関するためになる話題や楽しいトピックを幅広くお伝えしていますので、こちらもご覧ください。

→”好日山荘チャンネル”は画像をクリック。

*石井の事が気になった方、ぜひ好日山荘チャンネルをご覧ください!

 

山のお勧め文・画像:好日山荘スタッフ 石井 洋之

編集:好日山荘マガジン編集部 菰下 了