#ちょい旅 金華山登山と岐阜〜前編~

 

金華山へ日の出を拝む登山

今回は、岐阜市の中心部に位置する金華山への登山。山頂には、斉藤道三公・織田信長公ゆかりの岐阜城がそびえ立つ、地元の方にも愛される長良川と同様に岐阜市のシンボル的存在です。好日山荘100名山にも選ばれています。

朝早い、暗いなか出発

この日は寒波が到来した朝で、小雪がちらついていました。山頂で日の出を拝むことができるのか、一抹の不安のなか出発しました。金華山にはいくつかのルートがありますが、今回は、岐阜公園内に登山口のある馬ノ背登山道をのぼりで、くだりは、めい想の小径(水手道)のルートを選びました。岐阜公園内からスタート。下調べしておいたとはいえ、暗いと違う場所に感じます。登山道に入った途端に木々でより暗くなることで足元も見えづらく、合わせて自分のヘッドランプが暗くてより慎重に歩くことになり、コースタイムよりも時間がかかりそうです。普段の登山では携行はするものの、ほとんど使うことのないヘッドランプ。久しぶりに暗いなかで使うと、ヘッドランプは明るいにこしたことはないと再認識。先延ばしにしていたヘッドランプの買い替えをこの時、決意しました。と言いつつ、やっぱりヘッドランプを付けると、影絵してしまうのは私だけでしょうか・・・道標に沿ってすすみます。このルートは、足元に石が目立ちます。金華山の地質は、硬いチャートというガラス質の殻を持つ放散虫というプランクトンの遺骸が、陸から遠く離れ深海底に堆積してできた岩石でできています。少し上がると、小さな広場に出ました。岐阜市内にある伊奈波神社の伝承地で、昭和初期ごろまで丸山神社の社殿も存在していた場所「丸山」。暗くてわかりづらいですが、大きな「烏帽子岩」が残っています。ここから分岐になり、馬の背登山道に上がっていきます。比較的このように歩きやすい道もありますが、登山道に岩肌が出ていて階段のようになっている箇所も多く、思っていたよりもきついのぼりです。進むにつれて、急になり寒いはずが汗をかくほどになってきました。このルートはほとんど眺めもなく、ただひたすら登ります。少しひらけた!と思ったらたくさん雪が降っているのがはっきり見えるくらいに明るくなってきました。日の出のタイミングにあうかどうか、と考えると足早になります。金華山には、多くの石垣が遺されているようですが、このルートにも昔の石垣が見えるところがありました。この山を守ろうとした人たちや歴史を思いめぐらすことのできる場所でもあります。見上げると明るさが増してきたと感じたところで、最後の階段にたどり着きました。この階段を登れば山頂に到着です。(登山口から約50分)

頂上でのご褒美

日の出の時間には間に合いませんでしたが、朝日を見ることができました。太陽のありがたさが身に染みます。

麓に映った金華山の影を見ると、この山の大きさも感じます。朝日に照らされる岐阜城はかっこよすぎます。早朝は天守閣には登ることができないのが残念ですが、毎年元旦は登ることができるそうです。(2022年は6:30~7:30までは事前予約必要)この日の頂上の温度は氷点下4℃。薄っすら雪もつもりました。寒いはずです。

ほっと、ひといき、頂上で休憩していたのですが、木々の隙間から見下ろした雲と合間から麓が見えて、もしかして!?雲海?と、あわてて麓の景色が見えるところへ移動してみると雲海が見えました!日の出も雲海も見ることができて、登山前の心配が嘘のようです。早起きして頑張ったご褒美です。

岐阜公園まで楽しみながら下山

頂上からは、「めい想の小径」で岐阜公園まで下山します。
登山道にも朝日の光が差し込んできました。下山途中、かわいい看板が待ってくれていました。この時は雲海の名残がありましたが、遠くの山も見渡せる場所です。

そして、振り返れば木々の隙間から岐阜城が。遠くに雪のついた山が見えるビューポイントもありました。

木々のある登山道のそばには、大きな木が見守ってくれているところも。落葉した葉にいろんな種類のものを見ることができるこの時期、足元が白いと思ったら、大きなホウノキの葉がたくさん!食いしん坊の私は朴葉味噌を思い出してしまいました。のぼりのルート馬の背登山道と同じように大きな岩盤が見えている箇所も。岩でできた山です。見通しも良くとても歩きやすいなか、出会って思わず読んでしまう格言の看板も気になりながら進みます。いよいよなだらかになってきたと感じたころ、のぼりで使った馬の背登山道との分岐「丸山」に戻ってきました。「烏帽子岩」がしっかり確認できました。明るいと全然違う印象になるものです。登山口におりてきました。無事に登山終了です。当たり前ながら明るければ登山道も道標も地図もわかりやすい。こんなにも違うものかと身に染みて感じました。そして、同時に手軽にいろんな登山道を楽しめる金華山、何度も登りたくなる山、また訪れたい山がひとつ増えました。

岐阜公園入口より岐阜城を望む。

日の出を拝む登山 私の教訓

1 ヘッドランプは明るいものがより良し

2  下見をしておくべし(自分が良く知る山にならなおよし。)

3  冬の場合は防寒対策を抜かりなく。ヘッドランプは、登山の必需品。出発前には、電池、操作方法の確認を行っておきましょう。

金華山 https://www.gifucvb.or.jp/sightseeing/detail_kankou.php?eid=00011

金華山登山道マップ https://www.gifucvb.or.jp/cmsdesigner/data/entry/digipan/digipan.00009.00000001.pdf

好日山荘100名山 https://www.kojitusanso.jp/100mt/

#ちょい旅 金華山のお楽しみ

もしも、時間が限られていても、登山が出来なくても、楽しめるのが金華山のよいところ。是非一度とは言わず何度でも行きたくなる山です。

 

ぎふ金華山ロープウェー

4分で頂上へ!十分な高度感を味わえる金華山は岐阜市内を見守ってくれているのかもしれません。岐阜公園内の駅から気軽にアクセスできます。

初日の出のための臨時運行があります。元旦早朝特別運行 2022年元日は、5:00~17:00 岐阜城は6:30~16:30(5:30~6:30は予約制)

http://www.kinkazan.co.jp/

岐阜城

天守閣の展望台からは長良川と美濃平野、360℃の素晴らしい眺望が臨めます。信長も見ていたこの広い平野を見て天下をとる夢を描いてみては。

現在の城は、昭和31年に復興されたもの。鉄筋コンクリート造り3層4階構造となっており、中は岐阜城の資料の展示室になっています。2021年12月現在では、山頂付近の数か所で発掘調査が実施されていました。

最上階の天守閣からの眺めは最高です。長良川の曲線がこの日の夕日に照らされてキラキラ。美しい景色です。強風で極寒でなければもっと見ていたかった。遠くに木曽川も。もっと先には名古屋の高層ビル2つが薄っすら見えました。
長良川上流側ぞいには山が連なっています。縦走できそうな各務原アルプスはどこでしょう?

岐阜城 https://www.gifucvb.or.jp/sightseeing/detail_kankou.php?eid=00001

リス村

山頂のロープーウェー駅前にある昭和40年に開村した当時日本で初めての「リス村」。もともと昭和11年岐阜公園を中心に開催された「躍進日本大博覧会」タイワンリスが集団で金華山に逃げ込んで野生化し、生息したことがはじまり。

参考:ぎふ金華山リス村公式ホームページhttp://www.kinkazan.co.jp/riro.htmlリス好きの私が一度来てみたかった念願の「リス村」。しっぽの大きなリスがいっぱい元気に走り回っています!革手袋をつけて手にエサをのせて楽しめるエサやり体験では、間近で元気なリスを見ることができます。予想以上に大きく、素早い動きで圧倒されます。爪が鋭くて、手に乗ると重たかった~。動物好きには一度訪れてもらいたいおすすめの場所です。

そうそう、このポーズ!!めっちゃかわいいです。

風景印

平日に時間に余裕があれば、風景印をいただきに岐阜市役所内郵便局へ。今年の5月からの金華山と岐阜城、ぎふメディアコスモスの新しいデザインの風景印です。

日本郵便 岐阜市役所内郵便局 https://map.japanpost.jp/p/search/dtl/300124286000/

取材日:2021年12月17日、18日 感染対策を講じ、安全安心な登山・旅を心がけ取材を行いました。

文&編集&写真●関本 亜紀

岐阜でのお立ち寄りどころ、お土産、おいしいものおすすめ満載の後編はこちらから。

#ちょい旅 金華山登山と岐阜 〜後編~

この記事を書いたのは「好日山荘マガジン 編集部」

好日山荘マガジン 編集部

登山・クライミング・キャンプのプロ、好日山荘スタッフによる編集部。あなたのアウトドアライフを応援します!